
うさフェスタの講習会の話をちょこっと先生にお話ししてきました。
熊本のうさぎの病院、水前寺公園ペットクリニックの中田先生による、ペレットコントロールプログラムのお話。
ウサギの消化管は、盲腸の発育がとても重要で、というお話。
盲腸の発達しているウサギは、健康でストレスにも強いのですが、そのからくりは、
牧草からの十分な繊維の摂取によって、盲腸で乳酸菌を発酵させて必要な栄養素を作り出すという仕組み。
乳酸菌サプリメントもいろいろなものが売っていますけど、実のところ、ウサギにはどの菌がいいのかもまだよく分かっていない状況で、しかも、人工的なものはほとんど効かないんじゃないかという話もあり。
それよりは、盲腸を十分に発達させる食生活により、自力で乳酸菌も栄養も作り出せる体を作るのがいいと。
まあ、そんなお話。
牧草をあまり食べずにペレットばかり食べているウサギは、盲腸がどんどん小さくなって行ってしまうそうな。
そういうウサギさんは、ちょっと食べないだけでダメになってしまうけど、逆に盲腸の発達しているウサギさんは、先の熊本地震みたいなことがあって何日も食欲が戻らない、そんな状況下にあっても生き延びることができると。
ウサギの防災って、食料や水の備蓄だけじゃないんだなって、思いました。
まずは、ストレスに負けない身体作り。
そこで、中田先生が取り組んでおられるのが、ペレットコントロールプログラム。
ウサギさん1匹ずつ、その子のペレットの適正量を割り出して、適正量までペレットの摂取量を減らしていく取り組みです。
ただ、単純にペレットの量を減らせばいいという話ではなくて、その分、牧草の摂取量を増やしていくことが大切で、体重を測りながら、牧草を食べていることを確認しつつ、進めていくのだそうです。
そして、必ず、獣医師の指導のもと、行わなくてはならないと。
勝手にやらないでくださいと。
このお話しを聞いた人は皆、ペレットコントロールプログラム、やってみたいと思ったに違いないのですが。
でも、中田先生の提唱するこのプログラムをやってくださる獣医師が日本全国にいないとできないわけで。
なら、お話だけ聞いてもしょうがないじゃん、なんても思ったのでした。
そして、最後に我が家のウサギたちが直面している問題について、先生に質問しました。
ペレットだけで飼育されて大人になった、実験ウサギさんを引き取って飼っているのだけど、若い時は牧草メインの食餌への切り替えはうまくいく。
でも、それが歳をとって9歳、10歳くらいから食の嗜好が変わり、また、あるときから急激に痩せてしまったりする。
栄養が足りてないということで、高たん白の食餌に切り替える
⇒ その分、牧草を食べなくなり、特に一番刈りを好まなくなる
⇒ 食べても食べても痩せていく
⇒ さらにペレットを増量する
⇒ 食欲不振を繰り返す
という悪循環で、今回の話とはまさしく真逆な状態。
これは、どう打開すればいいのかということ。
先生のお答えは、モトがそういうウサギなので、非常に難しいと。
そう言われちゃうと、身もフタもないんですが

確かに歳をとると嗜好性の変化はあるけども、一方で、歳をとるほどペレットを減らして、むしろ牧草だけでもいいくらい。
だそうで。
先生の病院では、歳をとってきたら、何かしら理由を付けてペレットを減らしてもらうそうです。
嗜好性の変化には、牧草の種類を変えていくのがいいと。
柔らかくても繊維質の豊富なものに。
チモシーにこだわらなくてよいので、オーツヘイでもなんでも、他の草を選ぶ工夫が必要だと。
悪循環に陥ってしまった子については、これまた、
「それは、かなり難しいです。
かなりの高等技術がが必要になってきます。」
とのこと。
うん、我が家のご老体は、もう手遅れってことね、、、う~ん。
あとひとつ、先生の使うテクニックで、歳をとって牧草を食べなくなってきた子には、1週間に1回とか、プリンペランを投薬して、強制的にお腹を動かすということもするそうです。
でもねぇ、ハクたん。
プリンペランもちょこちょこ使うけど、牧草の摂取にはあまり結びつかない。
やっぱり、先回りして牧草の量を増やしていく工夫をしなくてはいけなかったんですね。
というのが分かったので、我が家から実験ウサギさんをもらってくださった方に、是非、お伝えしたいです。
ダッチさんなら、7~8歳くらいから準備した方が良いでしょうか。
白ウサギさんは、5~6歳くらいから。
少しずつペレットを減らして、より牧草の摂取量を増やして、老齢期になっても栄養摂取できる体に変えていく、そういう準備が必要なようです。
講習会が終わった後、参考までに、ななぶーのお腹を触っていただいて、この子はどうか?
とお聞きしました。
「もうちょっと、ペレットは減らしてもいいかな?」
って、そんな感じらしいです。
ちなみに、ななぶー。
1回、ペレットを減らしたんですが、ラビットホッピングで相当消耗するらしいので、また元の量に戻していたところでした。
朝晩15g で1日30g 。(体重は 2kg)
ちょっとずつ減らすとして、今は朝晩14g ずつ。
とりあえず、牧草は食べる子なので、様子を見つつどうするか決めていこうかなと。
というようなお話を、きち先生にしたのですが。
「それは正しいですが、でも、それでウサギさんが幸せかというのは別の話です」 と。
うん、先生はそうおっしゃると思った ^^
「あまり、そういう話はしてほしくないな」 とも。
それが、先生の本音でしょうね。
そうあらねばならないと思い詰めたら、飼い主さんも辛いし、ウサギさんも苦行のような生活を強いられて辛い。
それを懸念されているのでしょう。
一方で、やれば簡単にできてしまう子がいるのもまた事実で。
知識として持っているのは大事なことだと思います。
レンイチが固い牧草を食べなくなって、もう1年くらいたつでしょうか。
ハクたんも、何やかや言いつつも、低空飛行ながら、高栄養の団子とペレットで命をつないでいるし。
世間には、牧草なんざ食べたことがないという子が普通に13歳くらいまで生きていたり、という話もよく聞きますし。
究極的には、その子の生命力かなと思うこともあり。
そんな話を先生としていました。
「新科学といって・・・
ウサギは人間と生きる道を選んだんです。
それが証拠に、ウサギさんの顔は人間に気に入られるように、どんどん可愛くなってきているでしょう。
だから、いずれ、人間との暮らしに適応する子も出てくるんじゃないかと。
ペレットだけで生き延びる子が出てくる、そういう方向へ進化する可能性もありますよ。」 って。
はい、そういう話、大好きです。
飼い主さんとウサギさんの暮らしが幸せであることを、何より大切にされているのでしょう。
数値や理論に振り回されなくていいよと、先生はおっしゃりたいのでしょう。
何のためにウサギさんと暮らしているのか、見失っちゃいけないと。
正しい知識も必要だし、かといって教科書通りにするだけじゃない、自分とウサギさんが楽しく暮らせるようにという、バランス感覚が必要なんだろうなと思います。
というところで、長くなったので、オシマイ m(__)m


