fc2ブログ

兎鳥庵 日記

インコ2羽と ウサギ5羽にヒト1人の日常です。 - ときどき実験ウサギさん里親募集 -

ウサギさんの食餌

10日の土曜日は、きちさん通院日。

うさフェスタの講習会の話をちょこっと先生にお話ししてきました。


熊本のうさぎの病院、水前寺公園ペットクリニックの中田先生による、ペレットコントロールプログラムのお話。

ウサギの消化管は、盲腸の発育がとても重要で、というお話。
盲腸の発達しているウサギは、健康でストレスにも強いのですが、そのからくりは、
牧草からの十分な繊維の摂取によって、盲腸で乳酸菌を発酵させて必要な栄養素を作り出すという仕組み。
乳酸菌サプリメントもいろいろなものが売っていますけど、実のところ、ウサギにはどの菌がいいのかもまだよく分かっていない状況で、しかも、人工的なものはほとんど効かないんじゃないかという話もあり。
それよりは、盲腸を十分に発達させる食生活により、自力で乳酸菌も栄養も作り出せる体を作るのがいいと。
まあ、そんなお話。

牧草をあまり食べずにペレットばかり食べているウサギは、盲腸がどんどん小さくなって行ってしまうそうな。
そういうウサギさんは、ちょっと食べないだけでダメになってしまうけど、逆に盲腸の発達しているウサギさんは、先の熊本地震みたいなことがあって何日も食欲が戻らない、そんな状況下にあっても生き延びることができると。
ウサギの防災って、食料や水の備蓄だけじゃないんだなって、思いました。
まずは、ストレスに負けない身体作り。

そこで、中田先生が取り組んでおられるのが、ペレットコントロールプログラム。
ウサギさん1匹ずつ、その子のペレットの適正量を割り出して、適正量までペレットの摂取量を減らしていく取り組みです。
ただ、単純にペレットの量を減らせばいいという話ではなくて、その分、牧草の摂取量を増やしていくことが大切で、体重を測りながら、牧草を食べていることを確認しつつ、進めていくのだそうです。
そして、必ず、獣医師の指導のもと、行わなくてはならないと。
勝手にやらないでくださいと。

このお話しを聞いた人は皆、ペレットコントロールプログラム、やってみたいと思ったに違いないのですが。
でも、中田先生の提唱するこのプログラムをやってくださる獣医師が日本全国にいないとできないわけで。
なら、お話だけ聞いてもしょうがないじゃん、なんても思ったのでした。


そして、最後に我が家のウサギたちが直面している問題について、先生に質問しました。

ペレットだけで飼育されて大人になった、実験ウサギさんを引き取って飼っているのだけど、若い時は牧草メインの食餌への切り替えはうまくいく。
でも、それが歳をとって9歳、10歳くらいから食の嗜好が変わり、また、あるときから急激に痩せてしまったりする。

   栄養が足りてないということで、高たん白の食餌に切り替える 
⇒ その分、牧草を食べなくなり、特に一番刈りを好まなくなる
⇒ 食べても食べても痩せていく 
⇒ さらにペレットを増量する 
⇒ 食欲不振を繰り返す


という悪循環で、今回の話とはまさしく真逆な状態。
これは、どう打開すればいいのかということ。

先生のお答えは、モトがそういうウサギなので、非常に難しいと。
そう言われちゃうと、身もフタもないんですが

確かに歳をとると嗜好性の変化はあるけども、一方で、歳をとるほどペレットを減らして、むしろ牧草だけでもいいくらい。
だそうで。
先生の病院では、歳をとってきたら、何かしら理由を付けてペレットを減らしてもらうそうです。
嗜好性の変化には、牧草の種類を変えていくのがいいと。
柔らかくても繊維質の豊富なものに。
チモシーにこだわらなくてよいので、オーツヘイでもなんでも、他の草を選ぶ工夫が必要だと。

悪循環に陥ってしまった子については、これまた、
「それは、かなり難しいです。
かなりの高等技術がが必要になってきます。」

とのこと。

うん、我が家のご老体は、もう手遅れってことね、、、う~ん。

あとひとつ、先生の使うテクニックで、歳をとって牧草を食べなくなってきた子には、1週間に1回とか、プリンペランを投薬して、強制的にお腹を動かすということもするそうです。

でもねぇ、ハクたん。
プリンペランもちょこちょこ使うけど、牧草の摂取にはあまり結びつかない。

やっぱり、先回りして牧草の量を増やしていく工夫をしなくてはいけなかったんですね。
というのが分かったので、我が家から実験ウサギさんをもらってくださった方に、是非、お伝えしたいです。

ダッチさんなら、7~8歳くらいから準備した方が良いでしょうか。
白ウサギさんは、5~6歳くらいから。
少しずつペレットを減らして、より牧草の摂取量を増やして、老齢期になっても栄養摂取できる体に変えていく、そういう準備が必要なようです。



講習会が終わった後、参考までに、ななぶーのお腹を触っていただいて、この子はどうか?
とお聞きしました。

「もうちょっと、ペレットは減らしてもいいかな?」
って、そんな感じらしいです。

ちなみに、ななぶー。
1回、ペレットを減らしたんですが、ラビットホッピングで相当消耗するらしいので、また元の量に戻していたところでした。
朝晩15g で1日30g 。(体重は 2kg)
ちょっとずつ減らすとして、今は朝晩14g ずつ。
とりあえず、牧草は食べる子なので、様子を見つつどうするか決めていこうかなと。



というようなお話を、きち先生にしたのですが。

「それは正しいですが、でも、それでウサギさんが幸せかというのは別の話です」 と。
うん、先生はそうおっしゃると思った ^^

「あまり、そういう話はしてほしくないな」 とも。

それが、先生の本音でしょうね。
そうあらねばならないと思い詰めたら、飼い主さんも辛いし、ウサギさんも苦行のような生活を強いられて辛い。
それを懸念されているのでしょう。

一方で、やれば簡単にできてしまう子がいるのもまた事実で。
知識として持っているのは大事なことだと思います。

レンイチが固い牧草を食べなくなって、もう1年くらいたつでしょうか。
ハクたんも、何やかや言いつつも、低空飛行ながら、高栄養の団子とペレットで命をつないでいるし。

世間には、牧草なんざ食べたことがないという子が普通に13歳くらいまで生きていたり、という話もよく聞きますし。
究極的には、その子の生命力かなと思うこともあり。

そんな話を先生としていました。

「新科学といって・・・
ウサギは人間と生きる道を選んだんです。
それが証拠に、ウサギさんの顔は人間に気に入られるように、どんどん可愛くなってきているでしょう。
だから、いずれ、人間との暮らしに適応する子も出てくるんじゃないかと。
ペレットだけで生き延びる子が出てくる、そういう方向へ進化する可能性もありますよ。」
 って。

はい、そういう話、大好きです。

飼い主さんとウサギさんの暮らしが幸せであることを、何より大切にされているのでしょう。
数値や理論に振り回されなくていいよと、先生はおっしゃりたいのでしょう。
何のためにウサギさんと暮らしているのか、見失っちゃいけないと。

正しい知識も必要だし、かといって教科書通りにするだけじゃない、自分とウサギさんが楽しく暮らせるようにという、バランス感覚が必要なんだろうなと思います。

というところで、長くなったので、オシマイ m(__)m


PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

はい その通りですね。という私は、きち先生育ち(爆) 
何より、なぜ一緒に暮らしているか見失わないように。健康に、少しでも長生きしてほしい&その生が楽しくキラキラしていてほしい。それじゃなきゃ、なぜ生きているのかの意味がない。そういう意味では、まさにQOLだと思いますね。
だから 今りんが腎臓が悪い、数値は最悪、でもその数値をもとに考えられることに対処療法であれこれすることに囚われるのは、いかがなものか。お出かけがストレスの娘に、週2回も連れ出して、ストレスをかけてはよろしくないんじゃないかと考えるわけです。
先生は「木をみて森を見ていないんじゃないか」と良くおっしゃいますよね。木勢が弱っているから、肥料を上げ、剪定し、日に当て、薬剤をかけ・・・ でも、森全体の土壌が貧弱になっていて、地下水が枯れてきていて、地形が変わって風の流れも質も変わっていたら、どんなにしてもいずれは枯れてしまいます。 
だから数値から一歩引いてみて、ウサギ自体はどんな印象なのか、無理くり生きることを一日延ばすことが、その子にとって幸せなのだろうか。という感じがあります。
今日 義姉宅で話していて、シジミは店じまいをしていたからそれを見守っていたわけですが、姉宅の犬もそうすればよかったんじゃないかと言っていました。最後の数日は投薬をやめたけれど、それまではどうにか薬を飲ませようと夫婦して必死にやっていた。それが犬に対して良かったのだろうかと、今にして思う。もっと静かに見守ってやっていても良かったのだと思うと。
もっとも 自分たちは初めての子で、十何年も一緒にいたから仕方なかっただろうな~ あなたは何匹も飼っていたから、それができたんじゃないかと思うと言っていました。
まぁ その子なりの寿命があって、ダメな時はダメですしね。ならば生きている時 精一杯楽しく幸せだったらいいんじゃないかと思うわけで。それはちゅんちきさんも同じ域に来ていますよね~。
少しでも一緒に長くいたいのは飼い主の願いだけど、お互いに涙しながら暮らしてはいけない気がしますね。
聞いたお話は、確かに理論上はそうで、それが無理なく誘導できる子はいいけれど、万兎にしなくちゃいけない話じゃない。そういう知識をいったん腹に収めておいて、じゃぁうちの子にはどうやって育てたら幸せなんだろうかと考えないと。多くの飼い主さんが、悩みまくりますよ~ 下手をすると、そうできないって涙する飼い主が出てくる。 
第一今どんどん寿命が延びつつあるのは、やはり獣医学の進歩だったり、飼い主の飼い方の進歩だったりするけれど、ペレットというものの存在も大きいと思います。学校ウサギなど、昔は野菜くずや雑草で飼っていたわけで、その理論で行けば飼育方法が悪くても、もっと長生きしていたはずですよね。
人間で考えても、子供の頃からスナック菓子やジュースを与えず、栄養学を考えた食事で育てても、だから長生きするってものでもない。十分な運動も大事だし、お友達と笑いあってお菓子を食べる楽しさも必要。食育は大事だけど、それに生活を支配されてはいけないと思います。 楽しく暮らす。家族が笑いあって暮らす。それが何より一番大事なことだと思っています。
だから今 りんには「よく頑張っているね。えらいえらい」とほめまくっております(^^) 本当に痩せてしまったけど、キラキラお目目の娘は、自分なりに精一杯生きているんだと思いますよ。

チーママ | URL | 2016年12月16日(Fri)01:33 [EDIT]


こんにちは。
いつも楽しく拝見させて頂いてます。
今回の話は全くその通りだなと思います。
昔飼っていたハムスターの話ですが、健康のことを気にしてひまわりの種をたまにしかあげなかったのに、2年が平均寿命って言われているにも関わらず、脳腫瘍で1年半しか生きられませんでした。
その時ペットにとっての幸せって何だろうって、こんなことならひまわりの種をもっと食べさせてあげれば良かったって後悔しました。
今飼っているウサギは、そんなに体が強くなくて飼い主を心配させてばかりいるけど、ウサギ自身が幸せに感じられるように、そして少しでも長生きしてもらえるように寄り添ってあげたいなって思います。
ありがとうございました。

ちゃき | URL | 2016年12月16日(Fri)19:19 [EDIT]


お返事

チーママさま
きちんと読めれば、数字は真実を語っているわけで、ないがしろにしちゃいけないし、かといって、数字だけ見ていてはダメ。生き物の常として、数値以外のファクターがある。そのあたり、冷静に判断する目が必要なのだと思います。
どちらの先生のおっしゃることも自分の中に取り込んで、ウチの子の落としどころを見つけていく、それが飼い主の役目なのかな~と。
りんちゃんは、たくさんの先生に恵まれて幸せ者です。早く食欲が戻りますように。

ちゃきさま
ご訪問、ありがとうございます。
良かれと思ってしたことが報われないと、がっくし来てしまいますけど、ハムちゃんの幸せはヒマワリの種ばかりでもなかったでしょうし、精いっぱいの愛情を注いでもらって幸せな生涯だったのではと思います。
ウサギさんも、いろいろな子がいますけど、その子のペースで一緒にいてあげられたらいいのかな~と。
ちゃきさまの子たちは皆、幸せ者ですね^^

ちゅんちき | URL | 2016年12月19日(Mon)00:01 [EDIT]


講習会、私も、自己流は危険と聞いて、「うーん、お話だけ聞いてもこれは・・・」と思いました。
ただお話自体はためになる内容だったと思います。
今回4つの講習会を聞きましたが(中田先生×2、清水先生、成毛先生)結局は、チモシーを食べさせよう!に、尽きるんだなと思いました。
ですが、最後のちゅんちきさまの質問には、先生もちょっと困っておいでだったような。
先生の患者さんに、実験動物出身の子を引き取って・・・という子がほとんどいないのかなぁ、などと思いました。

ですが、チモシーを!!と言われるがあまりに、とっても苦しむ飼い主さんもいらっしゃったりする。
頑として食べない子っていますからねぇ。うちも先代はあまりチモシーは食べない子でした。
きち先生のお話も合わせてうかがえて、興味深いです。
そうですね、うさぎさんの幸せはまた別なところにあるかも。

とりあえずお話を聞いてから、野菜を減らしてみました。ウリもサエもオーツヘイ大好きなので、一日に2~3回あげるようにしています。
冬ですが二匹とも比較的元気なように見えます。
あとペレットについて・・・OXBOWのオーガニックと、バニセレのグルテンフリーを混ぜてあげてますが、バニセレはかなりかためだなと思いました。
試供品でいただいたブルームが、ものすごくふわっとやわらかく、あげてみたら問題なく食べたので、今後はこちらにしようかなと思っています。ただ、高いですねぇ。。。医療費に比べたらマシだと思うべきかな?

すず | URL | 2016年12月27日(Tue)14:28 [EDIT]


お返事

すずさま
多分、この講習会を受けた方は皆さん、ペレットなりオヤツなりを減らされたんじゃないかな? と思います。
でも、にんじんぶら下げて、さあ走れ!というなら分かりますが、見てるだけにしてね、ってのもどうかと思いました。しかも、有料講習会(笑)
でも、知識としては、なぜ牧草が大事なのかを心底理解できたというか。
自分が納得しなきゃ本気でやりませんから、やっぱり、こういう話は大事ですね。

ペレットは、どの先生もブルームシリーズはイチオシですね。
我が家の子たちも全員食べていますが、コスト面がネックで、ベースのペレットに1/5くらいの量を混ぜてます。
あとは、ウサギさん的に積極的に食べたい味ではないような。
食欲がイマイチのときはそこだけ残してたりとか。
この辺も、ウサギさんが食べたいペレットと、人間が食べさせたい(身体にいい)ペレットは違うから、バランスとるのが難しいなと感じます。
実験ウサギさんの件は、、、モトがそうだからしょうがないみたいなこと言われて、ちょっと悔しいので、いつか、ちゃんとペット用にブリーディングされた子もお迎えして、違いを確認してみたいな~なんても思いました。

ちゅんちき | URL | 2016年12月31日(Sat)23:59 [EDIT]