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兎鳥庵 日記

インコ2羽と ウサギ5羽にヒト1人の日常です。 - ときどき実験ウサギさん里親募集 -

抗酸菌感染症のこと

ぶっちの病理検査の結果は、ひと足先に電話で知らされてていました。
先生が何度も強調されていたのは、抗酸菌はそれほど恐れなければならないものではない、ということでした。

パスツレラやうっ滞ほど怖いものではないと。
抗酸菌は常在菌。
かつて、らい菌 (抗酸菌の一種で、ハンセン病の原因となる) を恐れ、患者を隔離するようなことが行われましたが、実際には、らい菌は非常に感染力が弱く、恐れる必要など全くないものでした。
それと同じようなことだと。

抗酸菌感染症という病名がひとり歩きして、治療法のない怖い病気みたいな風評が広がるのを警戒されているようでした。
確かに、それで誰が被害をこうむるかといえば、ウサギさん自身ですから。

常在菌が悪さしているということは、菌にではなくて、ウサギの側に何か問題があるのかもしれません。
でも、それは、将来的にいつかは折り合いがつけられるものであろうし、より良い治療法が見い出されるかもしれない。
というのは、先生の話を聞いて受けた私の印象ですが。


先生がおっしゃるには、すでに正常な細菌としてそれを持っているということと、発症することは別ものであると。
何が何でも、見つけたらたたくのがいいのか? という疑問もあると。

感覚的には、トレポネーマが潜在的にいるのと同じようなこと、といいます。
あくまで常在菌なのだけど、どこかに発症するキーがある。
なので、キーのないラビトリーでは発生しないと。

我が家の環境の問題なのか、ウサギの側の問題なのか。
我が家の大半のメンバーが実験ウサギで、免疫がないというのは、ひとつのキーなのかもしれません。
でも、最初の患者はジャージーライオンの 「はる」 でしたから、それだけではないはずです。
一つの部屋で過密に飼育しているのが問題なのか。
それとも、別の何かがあるのか。

皆と同じ部屋に移動してだいぶ経ちますが、飼育崩壊からの保護ウサのふくだけは未だ感染の気配はありません。
別室にいても空気はつながっていますから、その前にいたりんちゃんやらんちゃんだって可能性はあったけど、2人ともぜーんぜんOKでしたし。
元気ならんちゃんはともかくとして、りんちゃんなんて保護当時、ぐちゅぐちゅのドロドロでしたから、今思えば、何をもらっても (あるいは、もらってきていても) 不思議はなかったですけど、毛替わりしたら見事にきれいさっぱりでしたし (遺伝的と思われる疾患はありましたが)。

先生いわく、
「すでに細菌叢が出来上がっている子は、入ってくる余地がないのでは。」
ということでした。

実験ウサギさんは元はSPFだったり、コンベンショナルの子でも一般のウサギさんよりはクリーンなのかもしれません。
それについても、先生は、
「菌がいない、クリーンだというのは、決して良いことではありませんから。」
とおっしゃいます。
何もないところへ悪いものがどんどん入ってきたら、てきめんにやられちゃう。

ぶっちは、ちょうどはるのくしゃみが大変な時期に絶妙のタイミングでやって来たから。
誰より先に発症したのが、ぶっちでした。
一緒に来た、他の2人は一過性で済んだけど、ぶっちだけはそうならなかった。

同じ部屋にいて、発症しなかった子はもう1人、ぽーたんがいました。
ぽーたんは長いこと我が家にいましたから、その間に免疫を獲得したのかもしれません。
免疫がない一族の中でも、感受性にかなりの差があるのかもしれません。



今後のこととして、
「たとえば、ウサギで気管支洗浄ができれば、菌を培養して治療法を探るということも考えられなくもないけれど、ウサギに使える抗生剤は限られるので、難しい。」
ということです。

菌を培養だなんて、おっかないから、先生、やめてくださいって感じですが。
いくら人間にうつらないってたって、こういうのはいつどうなるか分かりませんものね。
解明されてほしいの半分、そっとしておいてほしいの半分です。

引き続き情報収集はして、できることを探っていきたいと先生はおっしゃっていました。
ウチにはせっかく予備軍がたくさんいるので、何か調べる手立てがあるんだったら、ぜひお願いしたいところではあります。



あと、先生が気にしていらしたのは、鳥。
他のラビトリーになくて、我が家にあるもの。
それが鳥だということかもしれません。

鳥からウサギへの感染は起こり得るのでと。


そんな訳で、できることはやっておこうということで、順次、鳥さんたちの遺伝子検査を実施しています。
鳥で抗酸菌といえば鳥結核なので、それは調べておこうと。

海老沢先生は、
「いや~、関係ないでしょう」
とおっしゃいますし、自分も直感的には、多分、鳥さんは白だと思っています。
でも、可能性のあるものはつぶしておきたいですから。

第一陣は、サブレ@オカメインコが先月、検査を受けて、結果は白判定。
次は、ユッピー@文鳥とレモン@セキセイインコが、今月末にバードドックを兼ねて検査してもらいます。
最後は、メロン@セキセイインコが1月末の予定です。

ただし、、、菌を持っている個体でも、必ずしも検体の中に菌が含まれるわけではないので、何回かやらないと完全否定はできません。
そこまでやるか?
というのはあるので、とりあえずは1回ずつやってみて、また考えるということにしようかなと。
費用もかかることですし。


どこかで、うまく幕引きできるといいのですけど、当分、抗酸菌とのお付き合いは続きそうです。




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