兎鳥庵 日記

インコ3羽と ウサギ9羽にヒト1人の日常です                  - ときどき実験ウサギさん里親募集 -

うさぎに家庭内で起こりうる事故 第1部 (うさフェスタ2013 講習会)

今回は、 【うさぎと鳥・小動物の専門病院 BANNY GRASS】 の進藤祐介先生のお話。
スライドがたくさんありますので、2回に分けてご紹介いたします。

去年、進藤先生の講習会は押すな押すなの大盛況で、最前列にいなくてはスライドも見えない状況なのが分かっていたので、今年は林先生の回から、場所取りしましたよ(笑)
立ち見でしかもぎゅうぎゅうなので、2列目でも前に背の高い人がいるともう、何も見えないし、メモを取るスペースもない状況なんです。
毎年、このような状況は発生しているので、対策を考えてほしいものです。


スライドの方、蛍光灯の反射で写真の写りが悪く、見にくくて申し訳ございません。

スライド1

上のタイトルは勝手に省略してしまいましたが、正しくは、スライドのとおり。

「うさぎに家庭内で起こりうる事故。
 誤飲、骨折など実際にあったケースの治療について」




スライド2

病院は葛飾区、柴又駅を出てすぐ、寅さん像のすぐ近くにあります。



スライド3

先生のお人柄でしょうか、待合室の飾り棚には飼い主さんたちが持ってきてくださったという小物がぎっしり。
ウサギの飼い主さんは観察力に優れているので、一つとしてかぶったものはないというのが自慢だそうです。



スライド4

お話は、「骨折・脱臼」と「誤飲」の二部構成。
家庭内の事故による来院で、とても多いのがこの2つだそうです。


まずは、第一部「骨折・脱臼」についてのご紹介です。

スライド中に写真がふんだんに出てきますが、中にはちょっとかわいそうな写真もあります。
骨折治療でウサギさんの足が串刺しになっているものとか・・・
苦手な方はご注意ください。

この後は、「つづきを表示」をクリックしてご覧ください。


スライド5

骨折と脱臼では治療法は全然異なりますが、原因となるものは同じ。

写真の抱っこの仕方がポイントだそうです。
背中をお腹に密着させて安定させています。
(腰は押さえていない)



スライド6

骨の断面をイヌと比べたところ。
ウサギの骨はとても薄くて軽いうえに中が空洞。

車に例えれば、F1 カーのイメージ。
ものすごく速いけれど、衝撃には弱く、壊れやすい。 大破してしまう。
ポキっと折れるよりは、粉々に砕け散る感じで骨折してしまいます。



スライド7

小型犬の場合の骨折原因で多い事例。



スライド8

ウサギでも同じく、落とした、踏んだ、ドアで挟んだ・・・というのは多いのですが、こんなこともあるというのが・・・
抱っこしているうちに骨折していたというもの。

下ろしたら動かなくなっていた、足を上げていた、ウサギではそういうのが一番多いかもということです。


あとは、暴走時。
ケージの中ですごい勢いでグルグル走っていて、なんか落ち着いたなー
なんて思ったら、足がブランブランしてた、そんなパターンもあるそうです。

(我が家のむうがこれをやりました。
パニックを起こして、ケージの中を走っていたというよりは、飛んでいたのですが、骨盤をやってしまいました。)



その他、病的骨折というのは、後ほど説明が出てきます。

原因不明というのは、大抵は上記のいずれかが当てはまっていることが多いのですが、現場を目撃していない、あるいは、気付いてないために、原因不明ということです。
いつの間にかなっていた、というのは、やはり多いそうです。



スライド9

右は、背骨を折ってしまった子。
何年も前に他の病院で無麻酔で奥歯の処置をしていたところ、嫌がって暴れて、このような事態になってしまったと。

歯は無麻酔で切ってもらえる方が良いと思っている人も多いのですが、このようなデメリットもあることは知っておいていただきたいとのことです。
単純に無麻酔が〇で麻酔が×という、そういうものではないと。

(その先生の技量もありますし、ウサギさんの性格や状態によっても変わってきますものね。
飼い主として、麻酔か無麻酔かでその先生の評価をしてしまうようなこともありがちですが、そのウサギさんがより良い治療を受けられるように、バランスよく総合的に判断する力も必要かなぁと思います。
でも、、、引っ越したりして新しい病院を探すときは、まず、そこを聞いてしまいそうな気はしますが・・・


ただ、写真の子は非常に元気で、車椅子バスケのごとく、前足だけでものすごく速く動くので、筋肉ムキムキだそうです。


左のレントゲンはまた別の子で、骨盤骨折をしています。
お家で爪切りをして、こうなってしまったそうです。
ご自分で爪切りをされる際は、くれぐれも注意してと先生はおっしゃっていました。



抱っこして骨折とか、保定して骨折なんて、イヌでは絶対に起きないことです。

スライド10

抱っこの仕方というのも問題なのですが、腰を押さえるのはNG。

逃げようとして跳躍した時に、どこに力がかかるか ―
腰椎(腰の部分)に力が集まるわけなのすが、腰が強く押さえられていると、力を分散できずにものすごい衝撃を受けて折れてしまうということです。

(関係ないですが、右下の小顔の大きなウサギさんが妙に可愛くて気になります・・・)




スライド11

さて、そこで、実際に事が起きてしまった、骨折してしまった場合にどうすれば良いか ―
日中(夜間でも)、間に合えば、かかりつけに駆け込めばよいが、夜間、かかりつけに連絡が取れない場合にどうするか。

夜間救急、初診で大丈夫? とか。
でも、ここであわててはいけません。



スライド12

まずは、ウサギさんがご飯を食べているかをチェックしてください。
食べていれば、ひとまず大丈夫。
食べていなければ、たとえ骨が折れてなかろうが、ダメ。

骨が折れたら痛いに決まっていますが、とりあえず食べていれば安心していいそうです。



スライド13

別に夜間救急を否定しているわけではありませんが、、、

先生の病院でも、たとえば、足が折れたと言って、朝、来院しても、すぐ手術ということにはならないのでと。

まず、レントゲンを撮って、どこが折れているのか? どんなふうに折れているのか? を見ます。
他に、骨以外に影響が出ていないかも調べます。
血液検査をして、内臓に損傷がないかも確認します。

痛み止めの注射をすることはありますが、すぐに手術とはならない。
だから、あわてないでと。



スライド14

ただし、これだけはダメ。

背骨が折れている場合。

背骨が折れたら、もう立てません。
がくーんとなってしまうとのこと。

その場合は、超緊急なので、すぐに病院に駆け込んでください。
いかに早く治療に導入できるかが、その後の決め手になります。
これは、覚えておいてほしいそうです。




スライド15

ウサギの骨折を直すのは非常に大変です。

その理由は、固くてもろいという、骨の性質によります。
1本の骨が単純に2つに折れるのではなく、ガラスを割った時のようにバラバラになってしまうので。
そうなると、くっつける骨のパーツがどんどん小さくなっていってしまってしまう。
また、割れやすい骨は金属の板を入れることもなかなか難しく、手術方法にすごく制限が出てきてします。

先ほど、夜間救急でもいきなり手術をしないのではと言ったのは、こういった理由からです。
まず、手術方法の検討をしないといけないので。

写真のウサギさんは後肢を骨折していますが、固定の維持がとても難しい。
骨折は手術をしてそれで終わりではなく、安静にして、骨がくっつくのを待たなくてはなりません。
後肢の場合、安静というのが非常に難しい・・・
なぜならば、、、足ダンをするから。
非常に治りにくいそうです。

また、痛いとゴハンを食べなくなってしまうことがあります。
でも、、、食べなきゃ、それでダメになってしまう。

あと、自咬といって、ギプスを自分で噛んじゃう。
では、エリザベスカラーを付ければよいではないか・・・?
そうすると、今度はストレスで食欲がなくなってしまうこともあり、そのバランスが非常に難しい。



スライド16

通常は、こんな感じでするそうです(前肢の骨折)
金属のピンを入れてワイヤーで固定します。

ちなみに、この子は11歳だそうです。



スライド17

こちらは、ホーランドロップさんの後肢の骨折。
ケージの中をグルグル回って、いつの間にか足がブラブラ・・・というパターンだったそうです。



スライド18

こういうのもあります。
骨と垂直に金属のピンを刺して、外側を固定する方法。
人間の骨折の場合も、この方法をとることがあるそうです。



スライド19

似たような感じで、こういうのも。
手術自体も非常に難しいのですが、その後の安定も難しいとのこと。




スライド20

病的骨折について。

この子は、〇で囲ったところ、肩の骨が折れています。

「突然、折れました。 何もしていないのに」 と・・・。



スライド21

病的骨折とは、実は、がんの転移です。

その中でもメチャクチャ多いのが子宮がん。

病的骨折というのは、写真を見る機会はほとんどないと思います。
肺転移とか出血とか、子宮に関してはそのような症状を聞いたことがあると思いますが、こういうこともあるよということです。

「歩いていて、突然、倒れます」とのこと。



スライド22

病的骨折の何が問題なのかといえば、治らないということ。
骨の治療というのは、細胞と細胞を活性化させて骨がくっついてくれるようにするものですが、がんは細胞がどんどん悪くなって行ってしまう病気なので・・・。

できることといえば、脚を落とすことしかない。

でも、、、転移による骨折なので、場所はそこかもしれないけど、他にもあるかもしれない・・・。
(それが子宮がんという病気)



スライド23

治せない。 でも、予防法はあります(避妊手術)

先生は診察のとき、そのことばっかりをお話しされているそうです。
またかと思ってくれるなら、むしろ嬉しい、というくらいに。

「病気になるのが分かっているなら、やろうよ。
治せないし、なる確率が高いし、命に係わるし・・・。
でも、予防はできるよ。
それだったらって・・・。」





スライド24

折れるのは、骨だけではありません。
前歯(切歯)も折れます。

この子は、びっくりして引っかけて折ってしまったのだそうです。



スライド25

原因は骨折と同じ。
踏んじゃったとか、落ちちゃったとか、ケージで暴れたとか。

ケージを齧る子がよくいますが、先生はそれで不正咬合になるとは思っていらっしゃらないそうです。
本にはそう書いてあるし、それが原因だとおっしゃる方もいますが、先生が何千匹と診てこられた中で、それで不正咬合になった子は見たことがないそうです。
自分はまだまだ若手なのであまり経験論を語るべきではないと思っているが、獣医学的根拠がないのでと。

齧っているときにびっくりして動いたら折れちゃったとか、そのようなことはあるだろうけれど。
「ウチの子、いつもガジガジやっているんですが・・・」
と言う飼い主さんには、おそらく心配はないんじゃないかと診察室ではお話しされているそうです。
(ただし、リスやプレーリードッグは別!)


(ですが・・・ 我が家のむうは、ガジガジやって前歯が曲がりました。
まあ、それは、ケージの金網を齧るなんて可愛いものではなくて、ジェックスの三角トイレを粉砕し、これまたジェックスのネジ式の餌入れも見事な前衛芸術品に仕立てていました。 餌入れはかなり固めのプラスチック製です。
程度問題なのでしょうが、筋金入りのガジガジ魔には、やはり注意した方がいいような・・・。
幸い、むうの歯は、きち先生に処置していただいて、その後改心したこともあって、今は元通り真っ直ぐになっています。)




スライド26

折れてしまった歯は生えてきますが、おそらく、一生、不正咬合になってしまうでしょうとのこと。
治療については、先生と要相談ですと。



(しかし、無逸君の事例もありますので、諦めずに治療の道を探ることは必要と思います。
無逸君は、上の前歯の片方を根元からポッキリ折ってしまった(もう片方も、折れた後伸びてきた歯も両方曲がってしまった)のですが、週一で歯科処置に通って、見事、元通りになりました。) 
 



スライド27

骨折のまとめ

まずは、落ち着いて!
食欲を見て、食べているなら、真夜中に必死で病院を探さなくてもいいかもしれない。
緊張、興奮状態にあるときに連れ回すのは良くないので、キャリーに入れたまま過ごすのも一案。
(狭い方が安静にできる)


PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

はじめまして、うさ飼い2年目のすずと申します。
前から読み逃げだけしておりました(笑)
田舎ゆえにうさ飼いは周囲にほとんどおらず(田舎は犬猫飼い多いです)、うさフェスタも遠くてなかなか…
なので、レポートを興味深く読ませていただいてます。
撮影など大変だったでしょうに、ありがたいです。
骨折は先代の子でありました。外の小屋にいた時、外から入ってきた猫にケージにはりつかれて、
驚いてダッシュした時に背骨を…。
もう歩けないかもと言われましたが、奇跡的に復活し、3ヶ月もたつ頃には、元通り跳ねたりダッシュすることができるようになっていました。
ただトイレだけはあちこちになってしまいましたが(それまでは完璧でした)
先代は違うことが原因で亡くなり、今は11ヶ月になるミニうさぎが二匹。
めちゃくちゃ元気で、サークルに出すとダッシュしまくってますが…
あんまほめない方が良さそうですね、調子にのるから(笑)
ダッシュするなともいえないので難しいとこですね~

すず | URL | 2013年12月16日(Mon)09:44 [EDIT]


ありがとうございます

ちゅんちきさん。
骨折と歯の詳細なレポート、ありがとうございます。

うちの愛うさちゃんは、13歳の骨折でした。
『その瞬間』は、突然起こりました。

私のように後悔しないためにも。

うさぎさんのご家族さんには、ぜひ。
『骨折の予備知識』を持ってもらいたいと思っていました。

師走の忙しい中。
レポートありがとうございました。

くまの姉 | URL | 2013年12月16日(Mon)23:23 [EDIT]


初めまして

ずいぶん前から読み逃げしていましたが、初コメさせていただきます。
実は我が家のうさぎ達が、今年の夏から次々体調を崩し
進藤先生にお世話になっています。
そこで雑談のはずみで、ちゅんきちさんの噂話をしたことがありまして
(うちの子はダッチ雑種。捨て子の貰いっ子だという話から)
なんたる運命!と感慨深く読ませていただきました。

進藤先生は、本当にうさぎ思いのはっきりした方で、飼い主として発見や反省が多々あります。
「うさぎはみんないい子なんですよ!」と撫でてくださる姿には
私(人間)も、こんな医師に診てもらいたい、と思うほどでした。
レポートの続きを楽しみにしています。

るか | URL | 2013年12月17日(Tue)02:49 [EDIT]


レポありがとうございます!

読みやすくまとめていただきありがとうございます♪
とても興味深く読ませていただきました(^◇^)
ちょっとしたことや油断で事故というのは起こりがちなので気を付けようと思いました。

実は進藤先生のところにはうちのティア@オカメが通院しているんです~
優しく接してくれるし、初めてのオカメでしたが、気をつけることなどいろいろ教えていただきました☆

私も聞きたかったのですが、日曜日行けなかったので本当に助かりました!

もこまる | URL | 2013年12月19日(Thu)00:55 [EDIT]


お返事

すずさま
はじめましてv-22
いつもご訪問ありがとうございます。
先代のウサギさん、大事に至らず、良かったですね。
本当にこればかりは、運と言うか、防ぎきれないことが多いと実感しています。
我が家では、初めて迎えたレンが一番のやんちゃで暴れん坊、この子が怪我もなく現在に至っていることが不思議です。
数年後に里親募集のため連れ帰ってきたむうが些細なことで骨盤が外れる大けがを負いましたが、不自由さがなくなるまでは荒れに荒れて、里親募集をあきらめる事態に(笑)
暴れん坊には困ったものですが、ハラハラしながら見守るしかないですね。

くまの姉さま
どれだけ気を付けていても、骨折などの怪我はどんなウサギさんにも可能性がありますので、いざという時の対処法を知っておくことの必要性を改めて感じたことでした。。
骨折自体では死ななくても、その後のコントロールがうまくできずに・・・という話もよく聞きます。
体の大きい子ほどダメージも大きいでしょうし、他人ごとではなく、先生のお話を聞いてまいりました。
多くのウサ飼いさんと共有したいお話しでした。

るかさま
はじめましてv-22
なんと!
進藤先生のところでお噂されていたとは!
いやはや、お恥ずかしい限りです。
進藤先生のような、ウサギ思いの優秀な若い先生がどんどん出てきてくださるのは、うさ飼いにとっては心強いですね。
昨年のお話しでも、ウサギさんのみならず、飼い主さんへの配慮がものすごく感じられて、いい先生だな~って思いました。
るかさまも、ウサギさんたちもお元気で過ごされますように。

もこまるさま
進藤先生の講習会は、通院されている飼い主さんたちが応援団のごとくぎゅうぎゅうで(笑)
先生の人気のほどがうかがえます。
お話を伺って納得ですが・・・。
せっかくの講習会なので、たくさんの人が共有できるような工夫をしてほしいですね☆

ちゅんちき | URL | 2013年12月21日(Sat)21:04 [EDIT]