兎鳥庵 日記

インコ3羽と ウサギ9羽にヒト1人の日常です                  - ときどき実験ウサギさん里親募集 -

抗酸菌感染症について

7月11日の記事 【ご連絡、感謝!】 にたくさんコメントをいただいております。

批判的なコメントに心を痛めておられる方も多数あり、非公開のコメントやメール等でも励ましをいただいております。
お気遣い、どうもありがとうございました。

ですが、ちゅんちきはこの程度のことではへこたれませんので、どうぞご安心ください。
並みの根性では、実験ウサギの里親募集などやっておりません。
ウサギたちさえ元気でいてくれれば、決してくじけたりは致しません。


個々のコメントにお返事している余裕もないので、批判的なご意見については、ここでまとめて私の見解を述べさせていただきます。
(あくまでも個人的見解です)



どの方のご意見も、要は 「病原菌をばらまかないでくれ」 とおっしゃられていると思います。

しかし、抗酸菌自体は土壌や水中などの自然環境に広く存在する菌です。
決して特別なものではなく、どこにでも普通に存在しているものです。
集団飼育している畜産関係の動物では感染が起こりやすいことに加え、検査体制も充実していることもあり、早くから抗酸菌感染症の存在は知られていました。

愛玩動物では死後に病理検査を依頼する飼い主さんは少ないでしょうから、今までその存在が知られてこなかったのだと思います。

ウサギでは非常に少数ながら、死後の検査で抗酸菌感染症が判明した例はあるので、一定数、感染しているウサギさんは存在していると思われます。
しかし、今のところ、愛玩動物の検査機関で抗酸菌の検査を受けてくれるところはないので、残念ながら生前に判明するケースは皆無といってよいでしょう。
不幸にして感染・発症して治療の甲斐なく亡くなられても、そこのお宅に他のウサギがいなければそれで終わり、病理検査をしない限りは抗酸菌感染症の存在は闇に葬られてしまいます。

我が家では、はるの死後、病理検査を行ったことから抗酸菌感染症であったことが判明しました。
そしてさらに、多頭飼いであったことから、ある一定の条件下では、それがウサギ同志で感染するということが明らかになりました。
はるが特徴的な症状を出していた、その時の我が家のウサギの飼育頭数は、10畳のお部屋に14匹。
実に感染しやすい条件が整っておりました。

我が家のメンバーは、殆ど (ジャパニーズホワイト以外) がクリーンな環境下でブリーディングされた SPF ウサギです。
病原体にさらされた経験もなく、一般のウサギに比べれば免疫がなかったのかもしれません。
特にラボから出てて間もない、ぶっち君が真っ先に感染したのはそのためではなかったかとも思います。
(ある程度、娑婆の生活の長い年寄り組は何ともない)

こんなことを言うと気を悪くされる方もあると思いますが、今回、我が家で発生した事象については、 「ウサギにおける抗酸菌感染症について新しい知見をありがとう」 と言ってほしいくらいのものなのです。



そして、抗酸菌感染症について、恐れなくてはいけないのは何か? ということです。

まずは、動物病院での感染を心配していらっしゃる方もありますが、これは飼い主さんたちが通常のマナーを守っていれば防げることと思います。
当然、くしゃみのひどいウサギさんをフルオープンのキャリーで連れてこられる方はいらっしゃらないと思います。
私も、くしゃみのある子を連れているときは、キャリーにはカバーをしています。
(待合室での写真を撮っているのは、他のウサギさんと飼い主さんたちがいないときに限っています)
ただ、待っている間、ウサギさんをキャリーから出して膝に抱いている飼い主さんはよく見かけます。
免疫バリバリの若い子ならいいですが、やはり、これは自殺行為だろうなと思っています。
動物病院は種々雑多な病気の子がわんさか集まるところ、病原体もわんさかです(抗酸菌に限らず)
ウサギさんを守るのは、飼い主さんご自身です。

ウサギで抗酸菌感染症の集団発生の報告がないことからも、個体間の感染は限定的と思っております。
以前、アメリカのウサギ保護団体の HRS でボランティア活動をされている、もぐらさま 【The Garden of Ethel】 に確認したところ、ウィスコンシン州の HRS の代表者の方も抗酸菌感染症については経験がないとのことでした。
多頭・過密飼育では、こういった保護施設に勝るところはないでしょうし、状態の悪いウサギが多数集まっている保護施設で発生事例がないということは、普通なら、個体間の感染は無視しても良いレベルと考えられます。


次に、現状、死後にしか分からない感染症ということで、罹患した時の死亡率が高いのではないかという懸念はあると思います。
しかし、それは抗酸菌感染症としての治療をしないから亡くなってしまうのかもしれません。
とはいえ、今までに愛玩動物での治療実績がないので、治療方法にマニュアルがないという問題があります。
人間の例からも完治するのは難しいのでは? という推測もあります。

どちらも、今がスタートラインです。
ぶっち君とおびやんの今後を見守ってください。
現在、2人とも治療への反応は上々なので、適切な治療さえできれば、完治は望めなくとも封じ込めることはできるのではと思っています。


見つけた時はそりゃビックリしますが、抗酸菌感染症の存在がもっと知られてくれば、殆どのウサギが感染しているというパスツレラやエンセファリトゾーンと同様なレベルの感染症なのでは? という気もします。



里子に行った子を何故回収しないのかという点については、言わずもがな、東は千葉から西は福岡まで何十頭といるので無理です。
上記の理由からも、お返しいただくまでの不利益も考えにくいです。
何より、里子に行ったウサギさんたちは、里親さまにとってかけがえのない家族になっています。
おーちゃん&ちくわの母さまのコメントにもありますように、「返せと言われても返すもんか!」と言われるのは目に見えています。
(そういう方にしかお譲りしていないつもりです)

万一、発症してしまった場合ですが、情報の共有をしつつ、複数の獣医師が関わる方が良い結果につながると私は思っています。
中には畜産関係の経験のある先生もいらっしゃるかもしれませんし。
たくさんの目で見ることは有益と考えます。



最後に、里親募集を継続している件について。

現在募集中の4匹は直接、 「はる」との接触がなく、かつ別室で飼育しており、我が家に来てからの期間もそんなには経っていないので、影響は限定的と考えています。
さらに、念のため、予防投薬もしております。
ただ、自分の感触として、絶対に感染していない確証がないので、募集記事には但し書きを入れております。

とはいえ、現状、ほぼ募集停止状態です。
その間、お問い合わせは1件ありましたが、あまりにもハードルが高すぎてその方は断念されました。

一生、ケージに閉じ込めて生かしておくだけなら、このまま我が家での飼育も可能です。
でも、それではこの子らが可哀想だと思うのです。

世の中にはこういったリスクやハンデを背負った子のお世話に生きがいを感じる方々がいらっしゃることを、今までの経験から私は知っています。
だから、この子たちの可能性の窓口は開いておきたいと思っています。

どなたにでもお譲りするということではありません。
条件は非常に厳しくなります。
◆ 発症した時も適切なケアができること。
◆ 抗酸菌感染症について適切な治療のできる(それなりの実力のある)、かかりつけの動物病院があること。
◆ 願わくば、他のウサギさんがいないこと。
 (感染症を広めないかという点については、ほぼこれでクリアできます)
今のところは、この条件を満たさない方にお譲りすることはありません。

この子たちにとっては、大変な逆風になってしまいました。
しかし、ご縁は必ずあると信じております。
飛び切りのご縁が。


もう少し時間がたてば、この病気の特徴ももっと分かってくると思います。
その時には、条件をもう少し緩和することもあるかもしれません。


死の淵からすくい上げてきた命。
必ずや明るい未来へと希望をつないでまいります。


PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2013年07月14日(Sun)22:48 [EDIT]


まるでエンセの初期のころのような状態ですよね。思い返せば、今から7・8年前くらいでしょうか。当時は「死ぬこともある」といった状況で、その上症候群でしたから個々の発症状態も違うし、死亡してからでなくては確定検査もできないような原虫。いかに早期発見早期治療が必要だとか、検査では確定できないのだからと、賛否両論飛び交いました。今でも、その感染発症のメカニズムは十分解明されておりません。
それでも、今ではうさぎ族と病原菌がうまく折り合いをつけた感じで(それだけ世代交代が進んだ)、突発死するお話はあまり聞かなくなりましたし、何より獣医さんたちの間でも、よく知られて対処もできるものになりましたね。

抗酸菌感染症は、日和見菌であると思っています。なんとなれば、日常のどこにでもいる菌であるので。確かに SPF であったので、より抵抗力がなかったというのはうなずける話です。普通のウサギなら、親から何かしらの感染があったり、それを初乳で防いだり抵抗力をつけたりするのですが、それらが一切ないのですもの。
たまたまちゅんちきさんのように、死後剖検をお願いするような飼い主さんがいたから、判明したこと。多頭いたから、このようなことも気づいたのであって、通常であれば気づくこともなく終わっていることでしょう。 そして、そうしたウサギさんの中には、病院でう散歩などで、他のウサギさんと接触していることもあるかもしれません。獣医さんも、ウサギさんが亡くなれば、それで終わりというのが普通ですから、症例や事例が知識として広まることもない。昔のEZと、まったく同じです。
違うのは、EZより前から、ウサギたちの間ではあったであろうこと。なんとなれば、経済動物においては、広く知られたものであるのですから。ウサギの獣医療においては、まだそのとば口にたどり着いたということで、これから多くの獣医さんによって、知識と経験が共有できるように。また、今まで診断治療の視野に入っていなかった抗酸菌が、獣医さんたちの視野に入ることを、願っています。

チーママ | URL | 2013年07月14日(Sun)23:59 [EDIT]


無逸は私の大事な子です♪

ちゅんちきさん、こんにちは!

無逸は今日も元気にお昼寝したり遊んだりしております♪

私にとって毎日が本当に幸せでなりません。

無逸とのご縁を結んでくださったちゅんちきさんにはどれだけ感謝しても感謝しきれません♡

この度の件につきまして私の意見を述べさせて頂きたく、コメしますね。

生き物には寿命があるし、様々なアクシデントがあるのは当たり前の事です。
だから今回の事も予期せずとも仕方のないことだと思っています。

万が一これから先、無逸にどんなアクシデントが発生しようとも私は無逸をこれまでと同じように愛しますし、ちゅんちきさんが「感染症の疑いがあるので返してください~」と言われても勿論、お返ししませんとも(笑)
だって私の大切な家族ですもの、親友ですもの(〃ω〃)

無逸を引き取ると決めた時点で「責任を持ってともに生活していく」と決意しているのですから何があっても無逸を手放すはずもございません♪♪

里親になる、とはそういう事だと私は思っております。

昨日も友達に「動物のボランティアをしている方々の肉体的精神的強さは並大抵じゃない!」と力説してきましたが、ボランティアさんは本当に素晴らしいと尊敬しております。

私はそういう強さは持ち合わせてないのでほんのちょっとのお手伝いしかできませんが、これからも陰ながらちゅんちきさんを応援しております!!!!

ちゅんちきさんのとこにいるうさちゃんたちが素敵な里親さんのところに巣立っていくのを心から願っております(w´ω`w)

23 | URL | 2013年07月15日(Mon)18:10 [EDIT]


管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2013年07月15日(Mon)21:05 [EDIT]


う〜ん。ちゅんきち様の、冷静沈着な見解に尊敬の念を禁じ得ません。

見えない細菌に対して空を掴むように無意味におびえるより、そこで何が出来るか、どこまでケアしてあげられるか…
ヒトだってペットだって、いつ、どんな病気になるやも知れないのですから、
その時、その場に応じ最善な治療を施すことがベストだと思うのです。(たとえそれが未知のものでも)
そのベストなことさえ受けられないコも大勢いるのが現実ですし。

サンフランシスコ在住の友人が聞いたのですが、9.11の時、
世界貿易センタービルの崩壊の報道を聞いた、駐在しているオクサマの言葉。
「あの景色が見られないなんて、残念だわ」
…その視野の狭さに呆れ、とても恥ずかしく思った記憶があります。
自分のまわり半径数mのことだけでは、
誰かがどうにかしてくれる、と待っているだけでは、いけないんですよね。

そうそう、昨日「里子ウサギさん」をまだ読んでいなかった、と思い、ずーーっと読んでいたんですよ。
「あきこ」さん改め「ぴぴ」ちゃんがお嫁に行った先のブログで、「ぴょん太」君のことも読ませていただきました。
何があっても、最後まで愛してあげることは、一番安易なようで一番難しくて、最も大切なことなんですよね。
そういった意味では、ちゅんきち様の里親様は「何があっても返さないぞ!」と
肝っ玉の座った方ばかり(失礼な言い方で申し訳ないです!)で、
やっぱり尊敬してしまいます。
私も頑張らないとー!

ponsuke | URL | 2013年07月16日(Tue)14:21 [EDIT]