兎鳥庵 日記

インコ3羽と ウサギ9羽にヒト1人の日常です                  - ときどき実験ウサギさん里親募集 -

命をありがとう

仕事の話です。
(かわいそうな話が苦手な方はパスしてください)

ちびイヌ

↑ 実験用ビーグル。 
(本日の記事とは関係はありません。この子は、一般家庭にもらわれていきました。)


昨日、イヌの尿検査のための採尿現場での出来事。
イヌはスチール製のケージに入れられていて、その下に尿バットを設置して一定時間経過後にオシッコを集めて回ります。
その作業に立ち会っていたわけなんですが、トップドーズの動物のうちの1匹が瀕死状態になっていました。
ガリガリに痩せて、背中を丸めて横たわっていました。
足も半分硬直しているようで、後ろ足は宙に浮いたまま。
担当の人も「今日、切迫(安楽死)するんです」と言いながら、背中をなでていました。

私も「ほれ、ワンコ、どうした?」と言って背中に触れると、もう冷たくて命が抜けてしまっているような感触でした。
すでに、その子はお花畑を歩いていたのかもしれません。
そのとき、ふと思ったんですね。
最期を迎えようとしている、この子を呼ぶ名前がないと。
最後に一言、名前を呼んでもらえれば、この子はどんなにか嬉しかろうと。
頭をなでると、ようやくパチリと1回だけまばたきをしました。
それが彼の精一杯の返事だったのかもしれません。

別の人が体温計を持って駆けつけ、体温を測ります。
(状態が極度に悪化して回復の望めない動物は苦しみを長引かせないように安楽死させますが、その前には、体温や脈拍などが基準を満たしていることを確認します)
体温計の表示はなんと、33.6℃。

そのイヌの表情はとても穏やかでした。
自分の運命を淡々と受け入れている、そんなふうに見えました。
実験動物でも、イヌぐらいになると、自分の役割を明確に理解しているのではないかという気がします。
具合が悪くなるのが分かっていても、素直に薬を飲みます。
人がケージの前に立てば、よろよろと立ち上がって、こちらへ来ようとします。
この子らには「恨み」の感情はないのだろうか? と不思議な気がします。
最後の最後まで、人間を信じ、人間の喜ぶことをしようとする動物たち。
人間には到底まねのできない、気高さを感じてしまうのです。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する