
すっかりサボりすぎて、いつの話やらですが、、、
うさフェスの講習会の中から、ウーリーさんの講習会をご紹介します。
お話ししてくださったのは、小澤邦世社長。
タイトルは、
「うさぎの健康を考える・・・・・
固定観念から解放! うさぎと牧草、健康な食生活とは?」
1.チモシー 一番刈りについて
まずは、おいししい牧草の見分け方
穂先:
先端が青紫を帯びたものは、花が咲いた後なので避けた方が良い。
先端まで青いものは開花前なので、おいしい。
色:
茎の部分に紫色多いものは、めいっぱい伸びたものなので、避けた方が良い。
(茎の部分に光が当たらなくて、色が褪せたものが多い)
全体的に緑が濃いものを選んだ方が香りもいいし、おいしい!
では、花が咲くと、なぜ、おいしくなくなるのかというと・・・。
開花するのは、確実に成長してから。
茎の背丈が目いっぱい伸びてからの開花になるので、茎の部分の繊維質が多くなり、
そうすると、タンパク質や脂質などの美味しい成分が減ってきてしまう。
青々したものはまだ成長途中なので、茎の部分にもまだタンパク質や脂質が残っていて、
それで、全体的においしいということになります。
2.チモシー 二番刈りについて

一番刈りに比べると穂先が少し短くて、背丈も短い。
見た目は一番刈りに似ています。
繊維質の含有量は一番刈りよりは落ちますが、繊維質の太さ、多さという観点では、長年の経験から、繊維質の状態は一番刈りよりは二番刈りの方がウサギに合っていると感じておられるそうです。
一番刈りで、スーパープレミアムというのがありますが、これはあくまで馬用で、めいっぱい茎を伸ばしたものです。
実は、そこまでの繊維質はウサギにとっては必要なくて、二番刈りくらいの茎をしっかり食べてくれれば、十分です。
それで、ウンコの状態もすごくいい。
ウサギのウンコは大きければ大きいほど良いと思われていますが、決してそんなことはなくて、体の大きさに合っていれば十分です。
それで、数がたくさん出ていれば、全く問題ありません!
迷信のように、一番刈りを食べないと良くないと思う必要はまったくないので、安心してください。
3.一番刈り vs 二番刈り

これは、チモシー一番刈りの部位を分けたもの。
「ウチの子は一番刈り食べてるから大丈夫」
って思っていらっしゃる方は多いですが、今日、お家に帰って牧草を追加するとき、残っている牧草を見てください。
茎の部分を大量に残しているということだと、葉っぱや穂先をメインに食べていて、殆ど茎を食べていないということになります。
それなのに、飼い主さんは、
「一番刈りを与えているから、ウチの子は大丈夫」
と勝手に解釈してしまっていることがあります。
もし、一番刈りの茎の部分を多く残しているのであれば、二番刈りの茎の部分を食べてくれた方が良いのです。
一番刈りの茎の部分は30~40パーセント程度ですが、それだけの部分を捨てているのであれば、もったいないですし、二番刈り全体を食べてもらった方が、ウサギにとっても良いです。

これも二番刈りです。
パッケージに同じように二番刈りと書いてあっても、さっきのものとは全くの別物です。
さっきのは茎もあって、穂先もありましたが、こちらは、葉っぱばっかりです。
何故、こんなに違うのかといえば、
それは、一番刈りの収穫時期や、栽培している地域の気候と関係しています。
一番刈りの収穫時期が遅くなれば、もう子孫を残す必要がなくなるので、穂先は出ません。
穂先というのは茎の上に乗っているものなので、穂先がなければ、茎も必要がなくなり、葉っぱばっかりになると、そういうことです。
標高の高いところで栽培されているものも同様です。
アメリカではワシントン州がチモシーの産地ですが、6月前後がチモシーの収穫時期になります。
このときに雨が多いからとか、伸びが悪いなどで一番刈りの収穫時期を遅くすると・・・。
その収穫後のカットした部分から二番刈りが生えてきますが、秋口になると寒くなる、そうすると穂先を出さずに葉っぱばっかりになるということです。
チモシーは多年草なので、越冬します。
刈り取ってすぐの状態で越冬すると枯れてしまうので、ある程度葉っぱを増やした状態で越冬します。
つまり、これは秋口に多いタイプ。
子孫は残さないで、自分が越冬しようというということ。
4.シングルプレスとダブルプレス
これは、流通の関係になります。
コンテナにたくさん積んだ方がキロ単価が安くなるので、現地で圧縮して1/2のかさにしてたくさん積みこもうというのがダブルプレスです。
シングルプレスというのは、畑のトラクターでプレスしただけのものです。
トラクターもパワーはありますが、シングルプレスにするのがやっとこさっとこなので、それを工場に持って行って、ダブルプレスにするということになります。
どちらかといえば、シングルプレスは牧草が長いまま残っていて、ダブルプレスは途中で切れてしまうので短いものが多いです。
輸入コストはダブルプレスの方が安いですが、余分な粉を落としてみれば、実は、シングルもダブルもあまり変わらなかったりします。
5.ウサギの食餌 (本題)
皆さん、チモシーをメインに、ラビットフードを副食みたいな形であげていると思いますが、中にはラビットフードを極端に減らしている方がいらっしゃいます。
各メーカーさんのフードは、大体、体重に対して3%から5%あげてくださいといわれています。
最近、獣医さんで、牧草をメインにしてラビットフードはちょっとにしていいんですよと言われる方がいらっしゃいますが、それには、ちょっと疑問を持っています。
というのも、野生のウサギはどんな食べ物を食べているかを調べた研究があります。

A地点のウサギは、大体10種類くらいの草を食べてバランスを取っています。
B地点のウサギは、8種類の食材を食べています。
野生のウサギは、自分が好きなもの、もしくは体に必要なものを食べています。
中には、まずいものも無理して食べることもあるでしょうし、そうやって栄養のバランスを取っています。
しかし、飼いウサギは飼い主さんが栄養バランスを考えてあげなくてはなりません。
チモシーとアルファルファの成分比較表です。

チモシーには、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンK、パントテン酸、葉酸が含まれていませんが、アルファルファには、ビタミンA及びD以外のものは含まれています。
チモシーメインで、なおかつチモシーベースのラビットフードを少量あげているとなると、チモシーの量が圧倒的に多くなってしまいます。
では、チモシーに含まれていない栄養素は、一体どこから摂るのか?
ということになってしまいます。
チモシーは確かにいい牧草ですが、それが過剰に多いと必要な栄養素が摂れなくなってしまいます。
そこのところをよく考えて、ウサギを飼育してほしいと思います。
6.去勢・避妊手術について (オマケ)
メリット・デメリットがありますが、それを知らないで手術に踏み切ってしまう人が多いです。
メリットは、性的な病気を予防することができること。
デメリットの一つは、太りやすくなること。
ホルモンのバランスが崩れて、そういうことになります。
ウンコ診断というのをやっていて、見るときに必ず臭いをかいでいますが、術前のオスはすごくホルモン臭がします。
去勢すると、ホルモン臭が薄くなります。
雌は、元々ホルモン臭はあまりないのですが、手術をすると雄のホルモン臭に近くなってきます。
そういうことから、ホルモンのバランスは確実に崩れているだろうといえます。
もう一つのデメリットは、ウサギは年に2回、大きな換毛がありますが、去勢・避妊手術をすると、ゆるやかな換毛が1年を通じてだらだら続くことになります。
術後のウサギは、ブラッシングをまめにしてください。
ウンコに混ざって出てくるうちはいいですが、それがもし腸で詰まったら、それでおわりなので。
ということで、毛の混じったウンチの写真もいくつか見せてくださったのですが、ここでは割愛します。
(終)
うさフェスの講習会の中から、ウーリーさんの講習会をご紹介します。
お話ししてくださったのは、小澤邦世社長。
タイトルは、
「うさぎの健康を考える・・・・・
固定観念から解放! うさぎと牧草、健康な食生活とは?」
1.チモシー 一番刈りについて
まずは、おいししい牧草の見分け方
穂先:
先端が青紫を帯びたものは、花が咲いた後なので避けた方が良い。
先端まで青いものは開花前なので、おいしい。
色:
茎の部分に紫色多いものは、めいっぱい伸びたものなので、避けた方が良い。
(茎の部分に光が当たらなくて、色が褪せたものが多い)
全体的に緑が濃いものを選んだ方が香りもいいし、おいしい!
では、花が咲くと、なぜ、おいしくなくなるのかというと・・・。
開花するのは、確実に成長してから。
茎の背丈が目いっぱい伸びてからの開花になるので、茎の部分の繊維質が多くなり、
そうすると、タンパク質や脂質などの美味しい成分が減ってきてしまう。
青々したものはまだ成長途中なので、茎の部分にもまだタンパク質や脂質が残っていて、
それで、全体的においしいということになります。
2.チモシー 二番刈りについて

一番刈りに比べると穂先が少し短くて、背丈も短い。
見た目は一番刈りに似ています。
繊維質の含有量は一番刈りよりは落ちますが、繊維質の太さ、多さという観点では、長年の経験から、繊維質の状態は一番刈りよりは二番刈りの方がウサギに合っていると感じておられるそうです。
一番刈りで、スーパープレミアムというのがありますが、これはあくまで馬用で、めいっぱい茎を伸ばしたものです。
実は、そこまでの繊維質はウサギにとっては必要なくて、二番刈りくらいの茎をしっかり食べてくれれば、十分です。
それで、ウンコの状態もすごくいい。
ウサギのウンコは大きければ大きいほど良いと思われていますが、決してそんなことはなくて、体の大きさに合っていれば十分です。
それで、数がたくさん出ていれば、全く問題ありません!
迷信のように、一番刈りを食べないと良くないと思う必要はまったくないので、安心してください。
3.一番刈り vs 二番刈り

これは、チモシー一番刈りの部位を分けたもの。
「ウチの子は一番刈り食べてるから大丈夫」
って思っていらっしゃる方は多いですが、今日、お家に帰って牧草を追加するとき、残っている牧草を見てください。
茎の部分を大量に残しているということだと、葉っぱや穂先をメインに食べていて、殆ど茎を食べていないということになります。
それなのに、飼い主さんは、
「一番刈りを与えているから、ウチの子は大丈夫」
と勝手に解釈してしまっていることがあります。
もし、一番刈りの茎の部分を多く残しているのであれば、二番刈りの茎の部分を食べてくれた方が良いのです。
一番刈りの茎の部分は30~40パーセント程度ですが、それだけの部分を捨てているのであれば、もったいないですし、二番刈り全体を食べてもらった方が、ウサギにとっても良いです。

これも二番刈りです。
パッケージに同じように二番刈りと書いてあっても、さっきのものとは全くの別物です。
さっきのは茎もあって、穂先もありましたが、こちらは、葉っぱばっかりです。
何故、こんなに違うのかといえば、
それは、一番刈りの収穫時期や、栽培している地域の気候と関係しています。
一番刈りの収穫時期が遅くなれば、もう子孫を残す必要がなくなるので、穂先は出ません。
穂先というのは茎の上に乗っているものなので、穂先がなければ、茎も必要がなくなり、葉っぱばっかりになると、そういうことです。
標高の高いところで栽培されているものも同様です。
アメリカではワシントン州がチモシーの産地ですが、6月前後がチモシーの収穫時期になります。
このときに雨が多いからとか、伸びが悪いなどで一番刈りの収穫時期を遅くすると・・・。
その収穫後のカットした部分から二番刈りが生えてきますが、秋口になると寒くなる、そうすると穂先を出さずに葉っぱばっかりになるということです。
チモシーは多年草なので、越冬します。
刈り取ってすぐの状態で越冬すると枯れてしまうので、ある程度葉っぱを増やした状態で越冬します。
つまり、これは秋口に多いタイプ。
子孫は残さないで、自分が越冬しようというということ。
4.シングルプレスとダブルプレス
これは、流通の関係になります。
コンテナにたくさん積んだ方がキロ単価が安くなるので、現地で圧縮して1/2のかさにしてたくさん積みこもうというのがダブルプレスです。
シングルプレスというのは、畑のトラクターでプレスしただけのものです。
トラクターもパワーはありますが、シングルプレスにするのがやっとこさっとこなので、それを工場に持って行って、ダブルプレスにするということになります。
どちらかといえば、シングルプレスは牧草が長いまま残っていて、ダブルプレスは途中で切れてしまうので短いものが多いです。
輸入コストはダブルプレスの方が安いですが、余分な粉を落としてみれば、実は、シングルもダブルもあまり変わらなかったりします。
5.ウサギの食餌 (本題)
皆さん、チモシーをメインに、ラビットフードを副食みたいな形であげていると思いますが、中にはラビットフードを極端に減らしている方がいらっしゃいます。
各メーカーさんのフードは、大体、体重に対して3%から5%あげてくださいといわれています。
最近、獣医さんで、牧草をメインにしてラビットフードはちょっとにしていいんですよと言われる方がいらっしゃいますが、それには、ちょっと疑問を持っています。
というのも、野生のウサギはどんな食べ物を食べているかを調べた研究があります。

A地点のウサギは、大体10種類くらいの草を食べてバランスを取っています。
B地点のウサギは、8種類の食材を食べています。
野生のウサギは、自分が好きなもの、もしくは体に必要なものを食べています。
中には、まずいものも無理して食べることもあるでしょうし、そうやって栄養のバランスを取っています。
しかし、飼いウサギは飼い主さんが栄養バランスを考えてあげなくてはなりません。
チモシーとアルファルファの成分比較表です。

チモシーには、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンK、パントテン酸、葉酸が含まれていませんが、アルファルファには、ビタミンA及びD以外のものは含まれています。
チモシーメインで、なおかつチモシーベースのラビットフードを少量あげているとなると、チモシーの量が圧倒的に多くなってしまいます。
では、チモシーに含まれていない栄養素は、一体どこから摂るのか?
ということになってしまいます。
チモシーは確かにいい牧草ですが、それが過剰に多いと必要な栄養素が摂れなくなってしまいます。
そこのところをよく考えて、ウサギを飼育してほしいと思います。
6.去勢・避妊手術について (オマケ)
メリット・デメリットがありますが、それを知らないで手術に踏み切ってしまう人が多いです。
メリットは、性的な病気を予防することができること。
デメリットの一つは、太りやすくなること。
ホルモンのバランスが崩れて、そういうことになります。
ウンコ診断というのをやっていて、見るときに必ず臭いをかいでいますが、術前のオスはすごくホルモン臭がします。
去勢すると、ホルモン臭が薄くなります。
雌は、元々ホルモン臭はあまりないのですが、手術をすると雄のホルモン臭に近くなってきます。
そういうことから、ホルモンのバランスは確実に崩れているだろうといえます。
もう一つのデメリットは、ウサギは年に2回、大きな換毛がありますが、去勢・避妊手術をすると、ゆるやかな換毛が1年を通じてだらだら続くことになります。
術後のウサギは、ブラッシングをまめにしてください。
ウンコに混ざって出てくるうちはいいですが、それがもし腸で詰まったら、それでおわりなので。
ということで、毛の混じったウンチの写真もいくつか見せてくださったのですが、ここでは割愛します。
(終)


