
昨日のウサギたちの健診のときのお話。
きち先生に、アレス動物医療センターの沖田先生からメールがあったそうです。
沖田先生は、9月の初めに里子に行ったはるの君(エガちゃん)の主治医になります。
里親さまには、こちらで受けている治療の内容はすべてお話して、今後も何かあれば連絡するとお約束をしていました。
ただ、治療内容については、飼い主同士の情報交換でワンクッション置いたものを先生にお伝えするのでは不都合があるかもしれないので(なにしろ、伝言ゲームみたいになっちゃったらいけない)、必要があれば沖田先生から直接きち先生に連絡をしていただけるよう、里親さまにはお願いしておりました。
どちらも大変にお忙しい先生なので、わざわざ時間を割いていただくのは申し訳ないと思いつつ、でも、はるの君のことを第一に考えれば、それがベストなので。
先生、スマホの画面をちらりと見せてくださって、
「初めてじゃないんだけど、はじめましてなんて言ってるんですよ~。
ボク、忘れられちゃったのかな~って。」
10年くらい前、エンセファリトゾーンの件で沖田先生からきち先生に質問があって、そのとき、いろいろお話をされたんだそうです。
学会などで一緒になることもあるでしょうし、お互いに顔くらいは知っているんだろうと、こちらも勝手に思っていましたが、そうやって情報交換なさっていた前歴があるなら、話も早いじゃんって、ちょっと嬉しかったです。
内容としては、抗酸菌感染症の治療について教えてほしいというものだったそうですが、お返事をする前に、私から里親さんにどのように伝えているかというのを確認しておきたかったとのことです。
要は、抗酸菌感染症だと言い切って伝えたのかどうかと。
もちろん、その辺はこちらとしてもそれなりに気は使っていて、
「生前には診断はできないけれど、状況的にそうとしか思えないので」
ということはブログ上でもメールのやり取りでも書いています。
ただ、ほぼ確定的と言ってもいい事象についてお話しするときに、いちいち「・・・の疑い」と言うのもまどろっこしいですから、「抗酸菌云々」と言ってしまうというのはあります。
「確定診断はついていないってのが大事です。」
ときち先生はおっしゃいます。
先生も、かつて、エンセファリトゾーンという病気が分かってきた、その当初のことを思い出しておられるようで、表現は慎重にということでしょうか。
「私も書くときには十分注意しているつもりなんですが、実際、読み手に伝わっているかっていうと、殆どそうじゃないって気もして、難しいな~って感じています。」
「そうなんです。
そこは、なかなか伝わらなくて、言葉だけが独り歩きしてしまうんです。
抗酸菌とか、エンセファリトゾーンとか、先天性の白内障とか。」
そういえば、いつか、販売したウサギさんに白内障があったとクレームをつけられて苦労されたブリーダーさんもいらっしゃいましたっけ。
完全無欠の動物なんていようはずもないのに、健康診断でマイナー所見をちらりと言われただけで過剰に反応してしまうケースとか。
きち先生も、そんなことをもう、いやというほど経験されているのでしょう。
それだけに、「抗酸菌感染症」などと、耳慣れない病気が発覚した時の世間の反応というのも、想像がついて嫌なのでしょう。
こうやって、自分がブログに書いているのも実はかなり微妙な面もありますから、重々注意しなくてはと思います。
でも、里親募集をやっている以上、そういったことを隠すわけにもいきませんし、最新の情報は発信しなくてはならないというのもジレンマです。
「沖田先生も、これで抗酸菌について興味を持ってくださるといいんだけどなぁ。」
お返事は直接、電話でしてくださるそうです。
ウサギさんのご縁は、里親さまとの間だけでなく、先生同士のつながりという意味でもあるのですね。
はるの君をお渡ししていいのかということは、随分、悩みましたし、一時はこのお話も流れてしまうだろうと思っていました。
でも、それがこういう展開になって。
ウサギの神様も粋なことをされるもんだと、感謝、感謝です。
「こういう場合、獣医師の連携が重要だと思っています。
エンセファリトゾーンのときは初めは個人でやっていたのを、最後はエキゾチックペット研究会に任せたんです。
そうしたら、ちゃんちゃんとやってくれて。
エンセファリトゾーンも初めは生前の検査ができなかったけど、それが騒がれ始めて4ヵ月ほどで検査してくれるところができました。
だから、抗酸菌もいずれはできるようになるんじゃないのかなって思っています。」
なんか、大きな山がひとつ動いたような気がしました。
今までの苦労もこれで報われるかもと。
「あの子(はる)が教えてくれたことは、無駄にしちゃいけない。
とっても重要なことを教えてくれたのだから。」
そう言ってくださって、涙が出そうでした。
今までは、ウサギさんの首が曲がった時に、エンセファリトゾーンの治療をしてダメならパスツレラの治療をするというのが常識だったけれど、そこに抗酸菌の可能性も考えていかなくてはならないと。
「はる」のケースで先生は、潜在的に抗酸菌を持っているうさぎが相当数いるのではないかと思ったそうです。
くしゃみをしてパスツレラの治療をしているウサギさんの中には、抗酸菌の子が相当数いるのではないかと。
今後は、抗酸菌の可能性も疑って治療していくべきじゃないかと。
そういう認識を他の病院の先生にも持っていただけたらと。
「あの子が教えてくれて良かった」
そんな表現も先生はされたのだけど(飼い主に気を遣ってか、ちょっと言い直されましたけど)、それは自分も全く同感でした。
はるちゃん、とんでもないもの置いてっちゃった、
そうは思いたくなかったから。
今は大変だけど、いつか、良かったって思えるときが必ず来るって思っていました。
里親募集の子たちが真っ先に感染しちゃって大騒動になったけど、はるちゃんで終わっていたら、その後の展開はなかったのだから、やっぱり、これで良かった。
感染したのが無垢の SPF ウサギだったから、パスツレラなどの他の要因はほぼ否定されます。
当のウサギさんたちには災難なことでしたが、それでも、きっといつか、良かったと言える日が来ると思っています。
「ここからまた新しいスタートだから。
君にはまた新しい仕事があるから、しっかりやれ。
そして、生きられなかった仲間の分まで精いっぱい生きろ。」
そう言って、里子に行くウサギさんたちを送り出します。
はるの君や無逸君は思ってもみなかったような大仕事を抱えて行ってしまったけど、きっと、向こうでも大活躍してくれることでしょう。
頑張れ!
そして、はるちゃんには、改めて、「助けてあげられなくてごめんね」ということと、心からの「ありがとう」を贈りたいと思います。
きち先生に、アレス動物医療センターの沖田先生からメールがあったそうです。
沖田先生は、9月の初めに里子に行ったはるの君(エガちゃん)の主治医になります。
里親さまには、こちらで受けている治療の内容はすべてお話して、今後も何かあれば連絡するとお約束をしていました。
ただ、治療内容については、飼い主同士の情報交換でワンクッション置いたものを先生にお伝えするのでは不都合があるかもしれないので(なにしろ、伝言ゲームみたいになっちゃったらいけない)、必要があれば沖田先生から直接きち先生に連絡をしていただけるよう、里親さまにはお願いしておりました。
どちらも大変にお忙しい先生なので、わざわざ時間を割いていただくのは申し訳ないと思いつつ、でも、はるの君のことを第一に考えれば、それがベストなので。
先生、スマホの画面をちらりと見せてくださって、
「初めてじゃないんだけど、はじめましてなんて言ってるんですよ~。
ボク、忘れられちゃったのかな~って。」
10年くらい前、エンセファリトゾーンの件で沖田先生からきち先生に質問があって、そのとき、いろいろお話をされたんだそうです。
学会などで一緒になることもあるでしょうし、お互いに顔くらいは知っているんだろうと、こちらも勝手に思っていましたが、そうやって情報交換なさっていた前歴があるなら、話も早いじゃんって、ちょっと嬉しかったです。
内容としては、抗酸菌感染症の治療について教えてほしいというものだったそうですが、お返事をする前に、私から里親さんにどのように伝えているかというのを確認しておきたかったとのことです。
要は、抗酸菌感染症だと言い切って伝えたのかどうかと。
もちろん、その辺はこちらとしてもそれなりに気は使っていて、
「生前には診断はできないけれど、状況的にそうとしか思えないので」
ということはブログ上でもメールのやり取りでも書いています。
ただ、ほぼ確定的と言ってもいい事象についてお話しするときに、いちいち「・・・の疑い」と言うのもまどろっこしいですから、「抗酸菌云々」と言ってしまうというのはあります。
「確定診断はついていないってのが大事です。」
ときち先生はおっしゃいます。
先生も、かつて、エンセファリトゾーンという病気が分かってきた、その当初のことを思い出しておられるようで、表現は慎重にということでしょうか。
「私も書くときには十分注意しているつもりなんですが、実際、読み手に伝わっているかっていうと、殆どそうじゃないって気もして、難しいな~って感じています。」
「そうなんです。
そこは、なかなか伝わらなくて、言葉だけが独り歩きしてしまうんです。
抗酸菌とか、エンセファリトゾーンとか、先天性の白内障とか。」
そういえば、いつか、販売したウサギさんに白内障があったとクレームをつけられて苦労されたブリーダーさんもいらっしゃいましたっけ。
完全無欠の動物なんていようはずもないのに、健康診断でマイナー所見をちらりと言われただけで過剰に反応してしまうケースとか。
きち先生も、そんなことをもう、いやというほど経験されているのでしょう。
それだけに、「抗酸菌感染症」などと、耳慣れない病気が発覚した時の世間の反応というのも、想像がついて嫌なのでしょう。
こうやって、自分がブログに書いているのも実はかなり微妙な面もありますから、重々注意しなくてはと思います。
でも、里親募集をやっている以上、そういったことを隠すわけにもいきませんし、最新の情報は発信しなくてはならないというのもジレンマです。
「沖田先生も、これで抗酸菌について興味を持ってくださるといいんだけどなぁ。」
お返事は直接、電話でしてくださるそうです。
ウサギさんのご縁は、里親さまとの間だけでなく、先生同士のつながりという意味でもあるのですね。
はるの君をお渡ししていいのかということは、随分、悩みましたし、一時はこのお話も流れてしまうだろうと思っていました。
でも、それがこういう展開になって。
ウサギの神様も粋なことをされるもんだと、感謝、感謝です。
「こういう場合、獣医師の連携が重要だと思っています。
エンセファリトゾーンのときは初めは個人でやっていたのを、最後はエキゾチックペット研究会に任せたんです。
そうしたら、ちゃんちゃんとやってくれて。
エンセファリトゾーンも初めは生前の検査ができなかったけど、それが騒がれ始めて4ヵ月ほどで検査してくれるところができました。
だから、抗酸菌もいずれはできるようになるんじゃないのかなって思っています。」
なんか、大きな山がひとつ動いたような気がしました。
今までの苦労もこれで報われるかもと。
「あの子(はる)が教えてくれたことは、無駄にしちゃいけない。
とっても重要なことを教えてくれたのだから。」
そう言ってくださって、涙が出そうでした。
今までは、ウサギさんの首が曲がった時に、エンセファリトゾーンの治療をしてダメならパスツレラの治療をするというのが常識だったけれど、そこに抗酸菌の可能性も考えていかなくてはならないと。
「はる」のケースで先生は、潜在的に抗酸菌を持っているうさぎが相当数いるのではないかと思ったそうです。
くしゃみをしてパスツレラの治療をしているウサギさんの中には、抗酸菌の子が相当数いるのではないかと。
今後は、抗酸菌の可能性も疑って治療していくべきじゃないかと。
そういう認識を他の病院の先生にも持っていただけたらと。
「あの子が教えてくれて良かった」
そんな表現も先生はされたのだけど(飼い主に気を遣ってか、ちょっと言い直されましたけど)、それは自分も全く同感でした。
はるちゃん、とんでもないもの置いてっちゃった、
そうは思いたくなかったから。
今は大変だけど、いつか、良かったって思えるときが必ず来るって思っていました。
里親募集の子たちが真っ先に感染しちゃって大騒動になったけど、はるちゃんで終わっていたら、その後の展開はなかったのだから、やっぱり、これで良かった。
感染したのが無垢の SPF ウサギだったから、パスツレラなどの他の要因はほぼ否定されます。
当のウサギさんたちには災難なことでしたが、それでも、きっといつか、良かったと言える日が来ると思っています。
「ここからまた新しいスタートだから。
君にはまた新しい仕事があるから、しっかりやれ。
そして、生きられなかった仲間の分まで精いっぱい生きろ。」
そう言って、里子に行くウサギさんたちを送り出します。
はるの君や無逸君は思ってもみなかったような大仕事を抱えて行ってしまったけど、きっと、向こうでも大活躍してくれることでしょう。
頑張れ!
そして、はるちゃんには、改めて、「助けてあげられなくてごめんね」ということと、心からの「ありがとう」を贈りたいと思います。


