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兎鳥庵 日記

インコ2羽と ウサギ5羽にヒト1人の日常です。 - ときどき実験ウサギさん里親募集 -

うさフェスタ 講習会 - ウサギの健康と食事

講師 :林 典子 先生 (ハロー動物病院)

こちらは、ウサギを長生きさせるための食事についてのお話。
結論から言えば、 とにもかくにも、「乾牧草を中心とした食事」 ということでした。
スライドの写真を撮ってくればよかったのですが、お話をメモするのが精いっぱいで、ゴメンナサイ。
言葉での説明だけでは分かりにくい個所もあろうかと思いますが、想像力を働かせてお読みください。

ウサギについて 
ペットとして飼育されているウサギはアナウサギ。
ウサギ目に属しますが、昔は重歯目と呼ばれていました。
重歯目という名のいわれは、上あごの切歯(前歯)2本の裏側にさらに小切歯が2本あること。
臼歯(奥歯)とあわせて、草をすりつぶして食べるのに非常に適した構造になっています。

穴を掘るための前足は非常に敏感で、あまり触るとイヤがることがあります。
(えーーーっと、カワイイもんで、今まで触りまくってました

巣穴の中は18℃前後、1日を通してほぼ一定温度を保ちます。

ノウサギはヘアと呼ばれ、アナウサギとは別種。
姿かたちは似ていても、アナウサギとノウサギではネコとライオンほどの差があります。
鳥獣戯画に描かれているウサギや因幡の白兎はノウサギ。
ピーターラビット(ワタオウサギ)がアナウサギ。

その野生のワタオウサギが暮らしている場所の写真を見せていただいたのですが、夏は青草と枯れ草が半々の状態、冬は枯れ草のみという環境です。
冬場は枯れ草と木の根っこを齧って暮らしているそうです。

非常に食物の乏しい環境で暮らしていますので、野生のアナウサギは非常に痩せています。
しかし、これがアナウサギという動物の普通の状態なのです。
ペットのウサギの多くは太り過ぎ

アナウサギを家畜化したのがイエウサギ。
完全草食動物。
繊維の粒子の大きさが重要。

前歯で草を刈り取り、奥歯ですりつぶします。
根元に問題がなければ、歯は生涯、伸び続けます。
ということは、適度にすり減ってくれないと困ることになります。

歯の正常な摩耗を促すためには ―
 草を食べる 
草にはシリカという研磨物質が含まれていますが、野菜にはそれは含まれていません。
人間が食べやすいように柔らかく品種改良された野菜は、ウサギさんの歯には適さないようです。

ウサギが食べている様子を観察すると、
 ペレットでは噛む回数が少なく (ガツガツ食べる)
 草の場合は、1本ずつ食べます。
顎の動かし方にも違いがあります。

ウサギの盲腸は巨大です。
腸内細菌の力で食べた物をここで発酵させます。
ウサギは食糞をしますが、これによってビタミンB、ビタミンK、たんぱく質などを補っています。

大きな腸を正常に動かすには、
 食物繊維が重要 
不消化な繊維をたくさん含むものが必要。

便を見る ― 健康のバロメータ
硬便 (普通の●) と盲腸便 (ぶどうの房状の柔らかい便)
盲腸便は午前中に排泄されることが多い。
盲腸便を残す 繊維が足りていない。
体重 1.5kg のウサギで、直径12mmの盲腸便をする。

●の粒
 大きい : 食欲が維持されている。適切な繊維摂取ができている。
 小さい : 食欲がない
       食べたくても食べられない
 軟便  : 繊維不測、炭水化物過剰、腸内細菌叢の異常


健康とは? 
器の中にストレスが入っているという図の説明。

ストレスが器からあふれ出ない状態 : 健康
ストレスが大きくなって器からあふれ出た状態 : 病気

器の大きさによっても変わってくるし、いくら器が大きくても溢れ出てしまうこともある。
健康な状態を維持するためには、ストレスを減らすという方向と、ストレスに負けない強さを身につけるという方向があるということでしょうか。

ストレスの要因 :
 騒音
 不適切な温湿度
 痛み
 不衛生な環境
 換気
 不適切な食事

● 「食べられるかも」 という恐怖を感じる動物。
● 適正温度はイギリスでは 18±2℃ と言われているが、日本では 20±2℃ で良いのではないか。
● 25℃を越えると胃腸の動きが衰える。 26℃で異常。
● 飼い主の不在、食器が変わったなどもストレスに。 割と男の子の方が弱い。

適切な食事は、器を大きくする効果とストレスを減らす効果、両方を併せ持ちます。
食事に関連した病気は多く、病気の悪循環をも起こします。

歯が悪ければ、消化器系にも異常が起こります。
太ることによって、腎臓への影響が現れます。
食べ残した盲腸便が体につくと、皮膚疾患になります。

咬合異常の原因 : 不正咬合の殆どの原因は草を食べないことによるもの 
● 落下事故による前歯の不正咬合
● ケージ齧りによる前歯の不正咬合
● 草を食べないことによる奥歯の不正咬合
● 男の子に第2臼歯の咬合異常が多い

歯が原因でおこる病気
● 顔面膿瘍
● 流涙  下の歯は眼の方向へと伸びる
  細菌感染により、流涙症から涙嚢炎へ
● 胃腸の運動低下
  慢性的、間欠的な軟便 ― オヤツのあげ過ぎが原因の事も
  この場合、薬は使わず、食事の改善で治す。 約3ヵ月を要する。

適切な食事
不正咬合の子では、歯科処置の間隔を延ばす効果がある。
ペットのウサギは、18-24%の繊維が必要。

ウサギの特徴 :
● 繊維を効率よく利用している
● カルシウムを速やかに吸収し、尿から排泄する

ウサギに優しい食事
● 低たんぱく
● 高繊維
● 低脂肪
● カルシウム制限

食事の管理
主食  : 牧草
副食  : ペレット、野草、野菜
オヤツ : 野菜、野草、ごく少量の果物
      ただし、果物には果糖、二糖類が含まれていてウサギにはよくない
      コントロールできる場合にのみ、たまにあげる程度に

乾牧草はチモシー主体で。
アルファルファはいけない訳ではないが (ウシでは乳量をあげるためにアルファルファを与える)、嗜好性が高く、高たんぱく、高カルシウム。
低エネルギー、低たんぱく、低カルシウムのチモシーの方を勧めたい。

チモシーを食べない子にはグラスヘイを与えたがる傾向があるが、茎の長いものをあげてほしい。
柔らかい葉っぱばかりのものではダメ。

野菜、生牧草、野草の適正量は、体重 2.5kg の子で、カップ1杯と覚えると良い。

ラビットフード (ペレット)
● 低カルシウム、高繊維のものを。
● エキスパンドタイプ (荒い繊維、空気でふくらましてあるもの)、
  粒の小さいタイプ (顎をよく動かす効果) が良い。
● ハードタイプは粒子が細かすぎるのでお勧めできない。

給餌量 : 1日当たり、体重の 1-1.5%
よく、一握りとおっしゃる方がいるが、それは不安定な量。
重量を確認して与えてほしい。

野菜、果物
● ミックスフード (野菜や果物のチップが入っているフード) はNG
  いろいろ入っていて体に良さそうと勘違いする人がいるが、栄養の不均衡を生じる恐れがある。
● 野菜や果物で糖度の高いものは、胃腸運動の低下、細菌叢異常を生じる恐れがある。
  葉物を与えるように。
● 野菜のみでは繊維不足を生じる。
  嗜好品として少量を与える。

含有繊維量の例 (%) 
 チモシー     23.7
 生牧草       3.4
 アルファルファ  19.5
 キャベツ      1.6
 大根葉       1.2
 リンゴ       0.7


生牧草は野菜と同じ位置づけ。
基本は、干した草。

野草
タンポポ、オオバコ、ハコベなど
ビタミン、ミネラル、発酵可能な繊維、不消化繊維のバランスが良い。
キク科植物のタンポポを好むが、便を軟らかくする作用があるので、オオバコやハコベを少し混ぜてやると良い。
よく洗って、水分を拭き取ってから与える。

トリーツ類 (与えないこと)
油で処理されているもの、炭水化物を多く含むものはダメ。

嗜好性は離乳期に覚えた味に左右される。
ペレット食の母親の乳を飲んだ子は牧草を食べないことが多い。
小さな頃に覚えた物しか食べない。
 (この件については、ちゅんちき的には異論があります。
  我が家のウサギ、9匹中7匹が実験動物で、先祖代々、ペレットしか食べた事がないはず
  ですが、牧草嫌いな子はいません。
  しかし、ペットウサ出身の はる は牧草嫌い。 同腹のまいは牧草大好き。 故あいは牧草嫌いでした。
  母親の味とか、幼少期の食事はあまり関係ないように思います)


管理 
● 牧草を中心に副食を与える。
● 給餌量 (固形物) は、維持期は 体重の3%、 成長期は 体重の5%
● 1日2回、野菜は全体の10-15%にとどめる。
● 定期的に体重測定。
● 絶食はしてはいけない
● 急に食事内容を変えない ― ウサギの消化器はデリケート
  肥満の子が絶食すると、たちどころに肝臓に脂肪がたまる。
  数時間で変化。
  ペレットの変更は1ヵ月くらいかけて。
● ウサギは夕方の4時から翌朝8時にかけて、1日量の85%を食べる。
  この時間内に2回与える (朝7時、夜6時など)
  この間に野菜をあげてもよいが、日中はあまり食べない。
  盲腸便が出るのが午前中。
● 体重 1.5kg の子の食事例
  チモシー  20g
  ペレット  20g
  野菜など  5g (水分込みで20g )
● 給餌量、食事内容は体重や便の状態を見ながら調整する。
● 食器は、その子に合ったものを、合った高さに。
  咥えられない陶器製、もしくは固定式のものが良い。
● ウサギはたくさん水を飲む。 平均飲水量 120mL/kg (イヌは40-60mL)
● 冬、飲水量が減っているときはぬるま湯を。 常に新鮮な水を。
● 給水器は床置きの場合は、小鳥用のサイフォン式のものが良い。
  ウサギ用は飲み口が広いので汚れやすい。
  ボトルの場合は、ノズルの先端に入っているボールが2個のもの、
  シャフトが付いていて下に降りる構造のものが良い。
  ノズルのOリング(ゴム)の寿命は2年。 2年ごとにボトルの交換を。
  内部に緑藻が付いて、それが原因でお腹をこわす場合もあるので、1日1回、
  ペットボトル用ブラシで洗浄する。
  ノズルの詰まりに注意すること。
● 食欲低下時は、いつも食べているペレットをふやかして強制給餌する。 
  ぬるま湯でふやかして、先端をカットしたシリンジを使う。
  奥歯の当たるところまで入れる。
  ウサギの縄張り内でやると暴れるので、普段、その子が行かないところでやる。
  (洗面所、お風呂場など、投薬のときも同様)
● 10-15分程度の跳躍運動は、胃腸を動かす効果。
  ただし、放し飼いの場合は、いくら運動しても胃腸は動かない。
  全部、自分の縄張りになっているので。
  生活にメリハリをつける。 抱っこして出して、抱っこして戻す習慣。
  適度な刺激になる。
● 効果的なしかり方。
  その瞬間に、スリッパで床を叩く (スタンピングと同じ効果)
  タイミングがずれると、何を言われているのか、何が危ないことなのかを理解できない。



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