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兎鳥庵 日記

インコ2羽と ウサギ5羽にヒト1人の日常です。 - ときどき実験ウサギさん里親募集 -

うさぎのエンリッチメント

うさフェスタ春2019の講習会より、町田社長の講演をご紹介します。

いろいろ気付かされることの多いお話でした。
特に、ウサギさんが牧草の固いところを残してしまうというお話。
人間からみれば無駄にする部分が多くてチェッて思うんですが、ウサギさんが好きな部分だけが入った牧草がいいと思うんですが、ウサギさんにしてみれば、好きなとこだけ食べてやったぜ!みたいな楽しみがあるって、目からウロコでした。

講演の内容は読みやすいように、多少、編集してありますので、ご了承ください。



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この仕事をして23年目になりますが、始めた当初はウサギさんの環境はそんなにいいものではありませんでした。
用品もちゃんとそろってなかったです。
でも、今はウサギの用品も食餌も本当によくそろっています。
でも、ウサギさんにとっても飼い主さんにとっても、これが本当にいいのか、理想的な生活環境なのかと考えてみると、ちょっと違うかなと思うところもあります。



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安心・安全な環境はフラットな環境ともいえますが、フラットとは平坦でいいイメージもある反面、「たいくつな」という意味でもあります。

ウサギさんはすごく好き嫌いがあるので、そういう面での不安や、フードや牧草もいろいろなものがありすぎて、何を食べさせていいのかという不安はあるかもしれませんが、食べることに関して不安はありません。
簡単に言えば、満足する状況が満たされてしまって、過保護な状況になってしまっている気がします。

たとえば、牧草のことで飼い主さんからお話をうかがうと、
「ウチの子は固いとこは食べないんです。だから、固いところを全部残して無駄になっちゃうんですよね。」
というような話が出たりします。
柔らかいところだけ食べさせてあげたいんです。
ウサギさんは柔らかいのを食べたい・・・
だけど、それを探して食べることもいいんじゃないかと思うんです。
柔らかいのだけ与えられて、それだけをもぐもぐ食べているのも、どうなのかなと感じます。

人間でも、何かを求めて、何か欲しいとか、もっとこうしたいとか思っていると、それに合わせて目標を立てたりして考えながら行動するので、大変なこともあるけど達成した時に幸福感がすごくあると思います。
すべてがそろってしまうと、これで本当に幸せなんだろうかと、人間は考えてしまうと思います。
ウサギさんも同じような気持ちになっているんじゃないかなと思ったりもします。



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これをどうやって良くしていけるか、ウサギさんをもっと幸福にしてあげられるかということで、エンリッチメントという考え方を取り入れた生活を実践したらどうか、というのが今回のテーマです。



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エンリッチメントの定義は、
動物の福祉と健康のために飼育環境に変化を与えること、飼育動物に刺激や選択の余地を与え、動物の望ましい行動を引き出すこと。

もう少し簡単に言うと、人間と一緒に暮らしている動物、ウサギが可能な限り心身ともに健康で幸せに暮らせるように飼育環境をデザインしたり、工夫を加えたりする手法というです。



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環境エンリッチメントは5つに分類されます。
(採食、空間、感覚、社会的、認知)
この5つをどうしていくかということになります。



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まずは食餌のこと。
いろいろなものを食べさせてあげることと、フォレイジング。
野生動物は1日の5割から8割を食べ物を探すために使っています。



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住環境:生活空間の工夫、遊び、おもちゃ



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穴ウサギは元々は、それぞれ穴を掘って共同生活をしています。
ウサギにとっては群れでの生活が生まれながらにDNAに刻まれています。

他の動物とのかかわりは、 自然界であったら、敵かもしれない。
ここでは人とのつながりについて。



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頭を使うこと、新しい経験を積んでいくことも大切。



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コンパニオンアニマルとしてのウサギの環境は野生と比べて変化がない。
いつも同じフード、同じケージ、同じ場所・・・

野生であればいろいろな体験をしていきますが、
ペットのウサギは人に合わせていくことになります。
多くのものを与えられて、愛情も注がれて、幸せな状況だとは思いますが、本当にそれでいいのか?
とも思います。

エンリッチメントによって、単調で退屈な生活に変化をつけて、適度な刺激を与えること、最終的にはそれがウサギさんの福祉の向上にもなります。
それによって、飼い主さんも幸せになります。



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特別に「こうしなきゃいけない」とか、「こういうものだ」というのはありません。
ウサギさんが喜んでくれそうなこと - なでることでもいい。
ウサギさんが幸せになることを考えて実践していけばよい。

ただ、注意していただきたいのは、やってみて良かったことでも、ずっと同じことをしていたのでは飽きてしまうということです。
2週間もすれば飽きてしまうので、一定の期間ごとに変えていくようにしてください。



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野生であれば、食べ物は探してもなかなか見つからないけれど、
ペットのウサギさんは、いつもの時間に食事が出て、いつもの時間にオヤツが出ます。
いつものところで、いつもの味で、となれば、人間なら飽きてしまいます。

食べ物を隠したり、食べにくくすることで、ウサギさんが本来持っている行動を呼び起こすことができます。

たとえば、「もじゃもじゃ」。
ドイツの Interzoo という世界最大のペットショーで、ドイツのメーカーさんがフェルトのような布を束にして四角く植え込んだもの(ウサギやモルモットがそこに隠されたフードを探し出す)を出していて、こういうのは日本のウサギ用品にはないなと思って、川井さんに作ってもらったもの。

エッグササイザーは、大きさの調節できる穴が開いていて、ウサギさんが転がして中の餌を取りだして食べることができる、というもの。



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(もじゃもじゃに隠したオヤツをウサギさんが見つけて食べる、という動画)

野生で元々ある行動に基づいて探していますが、探し当てた喜びがあります。

エッグササイザーも Interzoo に出展されていて、元々は馬やいろいろな動物の知育玩具で、これを使うことで頭を使って活性化する、そうすると、寿命が長くなるという実験結果もあるという話でした。
頭を使うことで、よりよい一生をおくれます。



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いつもと違うものは刺激になります。
オヤツも一番好きなものから5番目くらいまであるとよい。(1番目は特別な時だけ)
野菜は干してあげてもよい。
ウサギさんにも旬のもの、季節ごとに違うものを。

エアコンのある部屋、1年中変化のない部屋にずっといると換毛がだらだら続いたり、季節に関係なく換毛したりします。
季節を感じられるようにしてあげることも大切です。



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ケージにつけるもの(ハウスなど)
サークルは大きめにして運動できるように。人が一緒に入って遊んででもいい。
ほりほりハウスは中にチップが入っていて、ウサギさんが掘れるようになっています。
段ボール箱や衣装ケースに紙をちぎったものやピンポン玉やボールなどをたくさん入れてあげると、穴を掘るようにして遊びます。
元々の本能を呼び起こすことにもなりますし、頭の刺激にもなります。
ラビットインは隠れ家ですが、連結して迷路を作ることもできます。



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もじゃもじゃの元になったおもちゃを作ったメーカーの方が来日されたときに伺った話では、
ドイツではペットショップでウサギを買うときに、「もう1匹買いなさい」と言われるのだそうです。
去勢・避妊して雌雄で飼う、それがウサギの自然。
お互いになめ合ったり、毛繕いし合ったり、寄り添ったりすることがウサギの幸せではないか。
群れで暮らしているという、元々の感覚があるのは大切なことです。
日本でも多頭飼いは増えているけど、別々のケージで飼うのが主体です。
そうではなくて、ひとつのサークルで一緒に飼うのがいいでしょう。

クリッカートレーニングは人とのかかわり。
人もウサギをよく観察していないとできないし、クリッカートレーニングすることでウサギも人を見るようになります。
音が鳴るとオヤツがもらえるのというのがだんだん分かってきて、初めは音が鳴っても食べに来ないこともあるけど、そのうちに音が鳴るのをウサギが考えながら待っている、そういう状況にもなってきます。
より良い共生関係になってきます。

ラビットホッピングは人とウサギがペアになってするスポーツ。
ウサギを引っ張って跳ばすのではなく、ウサギが自分で跳べるように、走ったり跳んだりという普段の行動から引き出して、段階を踏んでできるようにしていきます。
ウサギさんは楽しんで跳ぶし、人はそれに合わせて走って行くという競技です。



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5つのエンリッチメントはそれぞれが別のものではなく、関連付けてやっていくのがよいです。



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好きなオヤツを探すことからでもいいし、
牧草もいつもチモシーではなく、ときどきは別のものをあげるとよいです。
いつもと違うにおいや味で活性化されます。



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一緒に暮らしていて、ウサギさんからすごくたくさんもらっていると思います。

今はネットの情報があふれていて、何が本当にいいのか分からない状況です。
人に影響されたり、帰って心配事が増えたり、ときとしてウサギさんと暮らすことが辛くなったりすることもあります。

春になって暖かくなったら窓を開けて外の空気を入れることでもいい、桜の木の下に連れて行くのもいい。
ウサギさんにとってよりよい生活、ウサギさんが幸せを感じられることを考えてあげること、それを繰り返していくことが大切です。

ケージも同じレイアウトで1年も2年もというのではなく、餌入れの場所を変えるだけでもいい。
(トイレの位置は変えない方がいい)
牧草もいつもの牧草入れに入れるだけではなく、つりさげ式のものに入れてみてもいい。
たまには、上をむいて食べなきゃ、というのもよい。

楽しみながら、絆が強まるように。
みなさんもいろいろ調べてやっていってください。


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プチお役立ち情報

以前、ラビットホッピング練習会の合間に教えていただいた、プチお役立ち情報です。


1 プライムラインとタッセル

ウサギさんの健康状態のバロメータはいろいろあると思いますが、外観チェックで分かりやすい部分です。

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ウサギさんの腰から尾にかけて、背骨に沿って少し長い毛がありますが、これがプライムラインです。
(白矢印、これは興奮して毛を逆立てているときの写真なので、普段はもう少し目立たないと思います)
この毛がなくなると、体調悪化のサインだそうです。

その昔、オチリが割れてると言って笑っていましたが、言われてみれば、どの子も体調悪化した時はこれが消えていた気がします。


タッセルとは、耳の先端の内側に生えているふさ毛のこと。
これもなくなるとヤバイんだそう。

ななぶーは、プライムラインもタッセルも合格点をいただきました。

ななぶーはおひげも立派ですが、ウサギさんのおひげは20~100本程度、だそうです。



2 ウサギさんのダイエット

ちょっと太めのウサギさんを痩せさせたい時、正攻法はペレットの量を減らすことですが、なかなかうまくいかないことも多いでしょう。
これ以上減らすのは忍びない、ということもあるでしょう。

そんなときは、ゴハンの時間と朝晩の配分を変えることで効果が出ることがあります。
朝、多く食べるとウサギさんは太りやすいのだそうです。
逆に、夜は多めに食べても太らないと。
人間とは逆ですね。

1日のトータル量は変えずにダイエットさせたい時は、朝は少なめ、夜は多めで、いずれも遅めの時間にあげるといいとのことです。


逆に、体調不良や高齢のウサギさんを太らせたい場合は、朝晩とも早めに、特に朝は多めにあげるのが良いんだそう。

どうりで、ウチの子たちは太らないわけです。
お迎え時、ムクムクしていた子たちが、気が付くと痩せてるって、よくあるんです。
先生からはヘルシーな食生活をウサギさんに強いてるんじゃないか的な目で見られてそうで、肩身が狭かったりするんですが、そういうことだったらしいです。

強制給餌するのも早朝がいいそうですよ。



3 給水方法

ウサギさんは高齢になってくると、だんだんと飲み込みにくくなってきます。
年をとって飲水量が減ってきた、と思う時は、もしかしたら飲み込みにくくて飲んでない可能性もあります。
そんなときは、給水ボトルの位置を少し高めにするといいそうです。
口を上にあげて飲むことで、飲み込みやすくなると。
お水をたくさん飲ませるには、器よりもボトルがお勧めだそうです。

一般的に獣医師の先生方がおっしゃっているのとは逆な気がしますが、試してみる価値はあるのかなと思います。

ウチの子たちの経験則でいえば、年をとったり体調不良になってくると、ボトルへのアクセスが困難になってきそうな予感がして、そうなる前にボトルから器に切り替えてしまうケースがほとんどなので、これがどうなのかはよく分かりません。
ウチはお水をちゃんと飲んでほしい時は、アクアライト(程度に応じて、1/3濃度~原液)を混ぜてしまうので、そうなると余計にボトルは使えなくなるのですが(ボトルはカビが生えやすいので)。



4 眼に注意!

ウサギさんの体調不良は眼に出ることが多いそう。
脳圧が上がると眼球が押し出される形になって、目が大きく見えます。
眼球の大きさとか目の枠の大きさにはさほど個体差はないそうですので、目の大きい子は気を付けた方がいいらしいです。

これは、自分でも実感があって、なんか変って感じた時は、眼に注意するようにしています。
大きさや飛び出ているとかいないとかだけではなく、充血だとか濁りがないかとか、そんなこともチェックします。


以上、参考にしていただければ幸いです。

ショップさんの経験則というのは、割と信じていいんじゃないかと思っています。
ウチの主治医も食餌のこととか、ウンチの状態がどうとかはショップで聞けとおっしゃいます。
飼育に関することは、獣医よりもショップの方がはるかに経験豊富で情報を持っていると。

まあ、どれが正しくてどれが正しくないとか、そういう話ではないので、情報はうまく取捨選択して、ウサギさんとの生活に役立てていただければと思います。

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災害用キャリーの開発、完成発表!

≪注意 : これはうさフェスタ秋2018の講習会です≫

昨日のシェルターケージについてのレビュー記事に関連して、考案者の中田至郎先生(水前寺公園ペットクリニック)による完成発表の講演スライドを掲載しておきます。
(昨年のうさフェスタ秋2018における獣医師講習会、枚数が多いので何枚かは省略しました)

興味のある方は参考にしてください。
見にくい場合は、クリックすると大きな画像が開きます。


被災者の方の生の声を記録し、あったらいいなを形にしていただけたのはありがたいことです。
先生はじめ、関係者の皆様に感謝です。




熊本地震を被災したから必要性を強く感じた!
「災害用キャリーの開発、完成発表!」



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マンションでは災害時、エレベータが動いていたとしても誰もが人が逃げるのが精いっぱいで、ウサギの入ったキャリーなど大荷物を持って乗り込むことははばかられる。(被災者体験談)
マンションの曲がりくねった狭い階段でも通り抜けられる大きさであるとのこと。



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うさぎの品種講習会

5月28日にうさぎのしっぽ柴又店で行われました、品種講習会。
講師は、うさぎのしっぽ代表取締役の町田修氏。

登場したウサギさんたちを、ささーっとご紹介いたします。
目の保養にどうぞ^^

カラーのバリエーションが多いということで、今回はネザーランドドワーフに絞っての紹介でした。

ネザーランドドワーフのカラーは、5つのグループに分けられます。
 1 セルフ 
 2 シェーデッド
 3 アグーチ
 4 タンパターン
 5 エニー アザー バラエティ(AOV)


第1グループ セルフ

毛の色が1色だけのグループです。

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この子は、ブラック。



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こちらは、ブルー。
ブルーは、ブラックの色が薄くなったものだそうです。



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ブラックとブルーの色の比較。



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この子は、ライラック。
チョコレートの色が少し薄くなったもので、少しピンクがかったお色です。

なかなかのやんちゃさんのようで、オシッコで汚れているのはご愛嬌。



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ブルーとライラックの色の比較。



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ルビーアイドホワイト

昔はいやがられていましたけど、しゃれた呼び方のせいか、最近は赤目の子の可愛さも理解されつつあるのかな~と思っています。
いや、これなら、買わないで実験ウサギさんをもらってくれと個人的には言いたいですが(笑)



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ブルーアイドホワイト
ちょうどブルーアイのネザーがいなかったようで、ホーランドロップの子が紹介されていました。



第2グループ シェーデッド

グラデーションカラーのグループです。
気温や日当たりの加減で色が変わりやすいので、ブリーダーさんはとても気を遣うそうです。

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サイアミーズ セーブル
この子、メチャ可愛いですね^^



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サイアミーズ スモークパール



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お顔もとてもきれい。
眼の色も説明してくださっていたのですが、忘れました m(__)m



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トータス シェル
マツコさんに気に入られた子だそうです^^




第3グループ アグーチ

毛の軸が3色以上に分かれているグループです。

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チェスナット
息を吹きかけると、中の毛の色がリング状に見えます。



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あまりうまく写っていませんが、お腹の毛も同様です。



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チンチラ
表面の毛の色は、白黒のごま塩ちゃんです。



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比較のためにもう一人連れて来られました。



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スクワレル(手前)
チンチラのブラックの毛がブルーにになったものです。



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オパール
微妙な毛色が混ざり合った、とてもきれいなお色です。




第4グループ タンパターン

目鼻の周りやお腹の毛の色が分かれている毛色です。

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ブラックオター
耳の後ろのトライアングルの部分はオレンジです。



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ブラックシルバーマーチン
こちらは、トライアングルの部分がシルバーホワイトです。



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お腹(笑)



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タン
まったくね、片手でつかめちゃうんですから、ネザーは小さいです。



第5グループ エニー アザー バラエティ(AOV)

その他の毛色です。

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オレンジ(手前) & フォーン(奥)



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オレンジの薄くなったのがフォーンです。



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スティール
奥にいるのは、比較のために連れて来られた、チェスナット君です。



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ブロークン
ブチのあるタイプですが、ネザーランドドワーフではまだ未公認だそうです。
手前はオレンジのブロークン。



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シャンパン



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同じく未公認だそうですが、とてもきれいなお色です。




ウサギさんの紹介は以上でしたが、図鑑を見たら他にもいくつかあるようで。
ブリーディングする人からしたら、これはもう、面白いですね。
個人的には、シェーデッドのグループのウサギさんが気に入りました^^

鳥の愛好家は元々は、珍しい色や模様の個体を作り出すのが趣味で、という人たちでしたけど、ウサギでも似たような世界があるんだな~
なんて思ったことでした。

普段、何げなく 「グレーのウサギ」 なんて言ったりしますが、グレーにもいろいろあるわけで。
ぱっと見、似たような毛色でもグループが違うとか。
2匹並べれば違いが分かっても、単体で見たら間違えそうとか。
見ただけで、全部のカラーが分かったら、相当のオタクといえそうです。

これだけのウサギさんを一度に見る機会はなかなかないし、ここではご紹介しきれませんでしたが社長さんならではの数々のうんちくも聞けて、良いひと時を過ごせました。
(待ちぼうけのななぶーは、とんだ災難でしたが)
また、シリーズでやっていただけると嬉しいなと思います。


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うさフェスタ春2017 メーカー講習会

すっかりサボりすぎて、いつの話やらですが、、、

うさフェスの講習会の中から、ウーリーさんの講習会をご紹介します。
お話ししてくださったのは、小澤邦世社長。

タイトルは、

「うさぎの健康を考える・・・・・
固定観念から解放! うさぎと牧草、健康な食生活とは?」



1.チモシー 一番刈りについて

まずは、おいししい牧草の見分け方

穂先:
 先端が青紫を帯びたものは、花が咲いた後なので避けた方が良い。
 先端まで青いものは開花前なので、おいしい。

色:
 茎の部分に紫色多いものは、めいっぱい伸びたものなので、避けた方が良い。
 (茎の部分に光が当たらなくて、色が褪せたものが多い)

全体的に緑が濃いものを選んだ方が香りもいいし、おいしい!


では、花が咲くと、なぜ、おいしくなくなるのかというと・・・。
開花するのは、確実に成長してから。
茎の背丈が目いっぱい伸びてからの開花になるので、茎の部分の繊維質が多くなり、
そうすると、タンパク質や脂質などの美味しい成分が減ってきてしまう。

青々したものはまだ成長途中なので、茎の部分にもまだタンパク質や脂質が残っていて、
それで、全体的においしいということになります。



2.チモシー 二番刈りについて

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一番刈りに比べると穂先が少し短くて、背丈も短い。
見た目は一番刈りに似ています。

繊維質の含有量は一番刈りよりは落ちますが、繊維質の太さ、多さという観点では、長年の経験から、繊維質の状態は一番刈りよりは二番刈りの方がウサギに合っていると感じておられるそうです。

一番刈りで、スーパープレミアムというのがありますが、これはあくまで馬用で、めいっぱい茎を伸ばしたものです。
実は、そこまでの繊維質はウサギにとっては必要なくて、二番刈りくらいの茎をしっかり食べてくれれば、十分です。
それで、ウンコの状態もすごくいい。

ウサギのウンコは大きければ大きいほど良いと思われていますが、決してそんなことはなくて、体の大きさに合っていれば十分です。
それで、数がたくさん出ていれば、全く問題ありません!

迷信のように、一番刈りを食べないと良くないと思う必要はまったくないので、安心してください。



3.一番刈り vs 二番刈り

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これは、チモシー一番刈りの部位を分けたもの。

「ウチの子は一番刈り食べてるから大丈夫」
って思っていらっしゃる方は多いですが、今日、お家に帰って牧草を追加するとき、残っている牧草を見てください。
茎の部分を大量に残しているということだと、葉っぱや穂先をメインに食べていて、殆ど茎を食べていないということになります。

それなのに、飼い主さんは、
「一番刈りを与えているから、ウチの子は大丈夫」
と勝手に解釈してしまっていることがあります。

もし、一番刈りの茎の部分を多く残しているのであれば、二番刈りの茎の部分を食べてくれた方が良いのです。
一番刈りの茎の部分は30~40パーセント程度ですが、それだけの部分を捨てているのであれば、もったいないですし、二番刈り全体を食べてもらった方が、ウサギにとっても良いです。



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これも二番刈りです。

パッケージに同じように二番刈りと書いてあっても、さっきのものとは全くの別物です。
さっきのは茎もあって、穂先もありましたが、こちらは、葉っぱばっかりです。

何故、こんなに違うのかといえば、
それは、一番刈りの収穫時期や、栽培している地域の気候と関係しています。
一番刈りの収穫時期が遅くなれば、もう子孫を残す必要がなくなるので、穂先は出ません。
穂先というのは茎の上に乗っているものなので、穂先がなければ、茎も必要がなくなり、葉っぱばっかりになると、そういうことです。
標高の高いところで栽培されているものも同様です。

アメリカではワシントン州がチモシーの産地ですが、6月前後がチモシーの収穫時期になります。
このときに雨が多いからとか、伸びが悪いなどで一番刈りの収穫時期を遅くすると・・・。
その収穫後のカットした部分から二番刈りが生えてきますが、秋口になると寒くなる、そうすると穂先を出さずに葉っぱばっかりになるということです。

チモシーは多年草なので、越冬します。
刈り取ってすぐの状態で越冬すると枯れてしまうので、ある程度葉っぱを増やした状態で越冬します。
つまり、これは秋口に多いタイプ。
子孫は残さないで、自分が越冬しようというということ。



4.シングルプレスとダブルプレス

これは、流通の関係になります。

コンテナにたくさん積んだ方がキロ単価が安くなるので、現地で圧縮して1/2のかさにしてたくさん積みこもうというのがダブルプレスです。
シングルプレスというのは、畑のトラクターでプレスしただけのものです。
トラクターもパワーはありますが、シングルプレスにするのがやっとこさっとこなので、それを工場に持って行って、ダブルプレスにするということになります。

どちらかといえば、シングルプレスは牧草が長いまま残っていて、ダブルプレスは途中で切れてしまうので短いものが多いです。
輸入コストはダブルプレスの方が安いですが、余分な粉を落としてみれば、実は、シングルもダブルもあまり変わらなかったりします。



5.ウサギの食餌 (本題)

皆さん、チモシーをメインに、ラビットフードを副食みたいな形であげていると思いますが、中にはラビットフードを極端に減らしている方がいらっしゃいます。

各メーカーさんのフードは、大体、体重に対して3%から5%あげてくださいといわれています。
最近、獣医さんで、牧草をメインにしてラビットフードはちょっとにしていいんですよと言われる方がいらっしゃいますが、それには、ちょっと疑問を持っています。

というのも、野生のウサギはどんな食べ物を食べているかを調べた研究があります。

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A地点のウサギは、大体10種類くらいの草を食べてバランスを取っています。
B地点のウサギは、8種類の食材を食べています。

野生のウサギは、自分が好きなもの、もしくは体に必要なものを食べています。
中には、まずいものも無理して食べることもあるでしょうし、そうやって栄養のバランスを取っています。

しかし、飼いウサギは飼い主さんが栄養バランスを考えてあげなくてはなりません。



チモシーとアルファルファの成分比較表です。

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チモシーには、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンK、パントテン酸、葉酸が含まれていませんが、アルファルファには、ビタミンA及びD以外のものは含まれています。

チモシーメインで、なおかつチモシーベースのラビットフードを少量あげているとなると、チモシーの量が圧倒的に多くなってしまいます。
では、チモシーに含まれていない栄養素は、一体どこから摂るのか?
ということになってしまいます。

チモシーは確かにいい牧草ですが、それが過剰に多いと必要な栄養素が摂れなくなってしまいます。
そこのところをよく考えて、ウサギを飼育してほしいと思います。



6.去勢・避妊手術について (オマケ)

メリット・デメリットがありますが、それを知らないで手術に踏み切ってしまう人が多いです。
メリットは、性的な病気を予防することができること。
デメリットの一つは、太りやすくなること。
ホルモンのバランスが崩れて、そういうことになります。

ウンコ診断というのをやっていて、見るときに必ず臭いをかいでいますが、術前のオスはすごくホルモン臭がします。
去勢すると、ホルモン臭が薄くなります。
雌は、元々ホルモン臭はあまりないのですが、手術をすると雄のホルモン臭に近くなってきます。
そういうことから、ホルモンのバランスは確実に崩れているだろうといえます。

もう一つのデメリットは、ウサギは年に2回、大きな換毛がありますが、去勢・避妊手術をすると、ゆるやかな換毛が1年を通じてだらだら続くことになります。
術後のウサギは、ブラッシングをまめにしてください。
ウンコに混ざって出てくるうちはいいですが、それがもし腸で詰まったら、それでおわりなので。

ということで、毛の混じったウンチの写真もいくつか見せてくださったのですが、ここでは割愛します。

(終)

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うさフェスタ2016講習会 熊本地震アンケート(4)

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うさぎの防災対策について

Q 防災対策を実施していましたか?
A はい 27名 (22%)



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防災対策の内容は、ペレットと水。
プラス暖かくするものとか、冷やすもの。



熊本は台風や大雨が非常に多くて、家から出られなくなることが非常に多いため、
防災意識は比較的高めです。


しかし、

誰も、熊本でこんな大地震が起こるとは思っていませんでした。
しかも! 連続で。



先生の病院で、前震はだいたい震度6強でした。
震度6なら、まあまあ大丈夫です。



前震後、私たち県民の多くは、
「いやー、びっくりしたね。
でも、このくらいでよかったよ。」
と言いながら、被災した家、職場を片付けました。



1回目のときには、被害はあったけど大したことはないよね、という感じでした。
でも、2回目があった。



その 「1日」 で防災対策がとれたという面もあります。


もし、1回目のときにものすごく強い地震が来ていたら、大変だったと思います。
皆、無意識のうちに1回目の後に防災対策をしたというのがあります。



では、

大災害を想定しての備え
(がっつり)



124名の方にアンケートを実施して、
実際のところ、大災害を想定してがっつり備えていた人は何人いたか?
ということでは、



なんと、

1名 / 124名



真剣に考えて備えをしていたのは、1人だけでした。
びっくり。



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地震後の防災対策
1回目の地震の後に対策したことは、大きく3つに分けて、
 逃げる対策
 食料の備蓄
 今の場所の改善
これらのことをやったということです。

1回目の地震があった後に、対策を練ったという人は18%。
多分、この話を聞いて家に帰ってから対策を考える人は、このくらいのパーセンテージと思われます。
少しでも、対策を練っていただければ!



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逃げる、備蓄、場所の改善
について考えて!



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実は、8月31日にも震度5強の地震がありました。
実際のところ、このときも先生ご自身、あまり対策はできていなかったそうです。

こういう話をしても、なかなか対策はできないのかなとも。



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不幸中の幸い
地震のときは非常に気温がいい状態でした。
GW開けにもかかわらず、何故か今年は涼しかった。

前震があったからこそ、対策を練れた。
それで、熊本の人は助かった。



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回答者より伝えたいこと
家族と対策を考えておくべきだった、というのが非常に多い。
うさぎのネットワークを作ってほしい、という方も結構いらっしゃいました。
自分のウサギの食餌が他ではどこで手に入るかを把握しておくことも大事。
いろいろな場所で飼える工夫も大事。

病院には、 「大丈夫ですか?」 という問い合わせが2日間で200件くらいありました。
ちょっと鬱陶しいなという気持ちが出るのかなとも思ったが、逆に、勇気を与えられたというのが事実。
何かあったときは、遠慮せずに積極的にアタックした方が良い。



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今、うさぎのしっぽさんの協力で、飼い主さんの話をもとに避難用のうさぎのケージを考えておられるそうです。

現状、普段、ウサギさんがいるケージか、移動用のキャリーしか選択肢がないけれど、避難するときはどちらも不向きです。
いつも牧草やペレットを置いている場所に、その中に入れて置いておけば、何かあった時にはそこにウサギさんを一緒に入れて運ぶことができるようなもの。
1人で逃げるには、自分のものも運ばなくてはなりませんから、ウサギのために運べるのは1つだけなんです。
ウサギさんとそのグッズが一つに入って、その空間がそのままウサギさんの居場所になるような。
そういうものを考えています。

ということで、、、



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これが試作品。

ちょっと狭いかもしれないけれど、1人で階段で運べる大きさです。
こういうものは、なかなか日本にはありません。

軽自動車の後部座席の足元にちょうど入る大きさです。
軽自動車にウサギを入れると、人のスペースがなくなってしまう、ということで、
ウサギも人間も生活できるというコンセプトで考えたそうです。



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ケージの天板は、全開できます。



終わりに

熊本地震を経験して、私たちにできること
      
経験したからこそ分かることを、多くの方に伝えること




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今回は、たまたま、不幸中の幸いがいくつも重なりました。

しかし、
最悪に備えて、最善の備えをすることが大事です。



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アンケートに回答してくださった、124名の皆さま、
結果をまとめてくださった、スタッフの皆さま、
そして、発表してくださった、中田先生、

本当にどうもありがとうございました!



オマケ
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ところで、うさぎに予知能力はあるか?
地震のときに、予知能力があったかどうか???



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11%のウサギさんが何らかの行動を示したそうです。

信じるかはあなた次第みたいなところはありますが、、、
 突然、暴れ出した
 ギリギリ(?)した
 突然、ケージの入り口に入って行った
 など


(完)

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うさフェスタ2016講習会 熊本地震アンケート(3)

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実際に困ったこと大変だったこと ― 飼い主さんの声:
牧草、ペレット、水の確保が最多。



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実際に困ったこと大変だったこと ― 少数意見:
狭いケージやキャリーでの生活、クルマの中で遊ばせる場所がない。
キャリーで飼っているケースも非常に多くて、1~2週間耐えるのはとても大変だった。
足裏が心配だった。
など



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実際に困ったこと大変だったこと ― 飼い主さん自身が大変だったこと:
交通手段の悪化で動物病院に行けない (渋滞、道路の閉鎖)
掃除が大変 (水がない)
 配給されるのは殆どがお茶で、真水が給付されることはまずない。
 ウサギ用の水の確保が必要。
エレベータが使えない。
情報が入ってこなかったという声が多かった。



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実際に困ったこと大変だったこと ― 牧草・ペレット
ウサギさんの食餌の確保について ― ここは、大事なことがことが含まれています。

県外の友達に買ってきてもらったという方も多かった。

ホームセンターは、皆さん、一気に買い占めてしまう。
が、1、2キロ先のホームセンターには、案外、同じものがあったりもするので、それに気づく人は早く買う。
自分のウサギが食べるペレットが、いつも買っているホームセンターや動物病院だけでなく、車で1時間くらいの範囲で同じものがどこに売っているかを日ごろ把握しておくことも大事。
熊本は全然ダメだったけど、隣町なら大丈夫で、またしばらくすると、その隣町もダメになって、そのまた隣へということがあった。
だんだんものがなくなっていくというのが手に取るように分かって、1、2週間後には福岡にも何もないという状況だった。
ちょっと早く動くこと、ちょっと遠くに行って買うことが大事。

宅配便業者など、ものを運ぶ人たちも被災しているので、ものが多すぎて止まっているのではなく、運ぶ人が動けないのが現実で、4分の3の働き手がいなくなったともいわれている。
まずは、緊急性のあるものを優先して、あとは、名前の書いてあるものをダイレクトに運ぶという状況だった。
物資を送る際は、全体的なところよりは、病院宛て、個人宅宛てで送った方が届きやすい。



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水について:
熊本は日本で唯一、水をろ過して使っていない地域。
くみ上げた水をそのまま使っている。
衛生上は好ましくない。
(ということを後になって知った)

地震の後は地下水が濁って、蛇口をひねっても黒い水しか出て来なかった。
水に自信があったがために、こういうことになった。

そして、お茶はあるけど、水はない状況。



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実際に困ったこと大変だったこと ― 水:
水の確保が困難。
掃除には、ウェットティッシュや新聞紙を使うことになる。



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うさぎ物資が手に入った場所:
ホームセンターが一番手に入りやすいが、とにかく大渋滞。
ネット通販は遅れる。
物資は日赤などより、送る相手がいるならば、そこに送った方が良い。
中田先生の病院にはうさぎのしっぽさんなどから多くの支援物資が送られ、ネットで情報の拡散も図りましたが、あまりにも皆さん、分からなかったということで、実際には7%くらいでした。
はたからはネットを使えるという意識があるかもしれませんが、実際には被災者たちはそれどころではない状況。



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ペット関係のボランティアなどは、ほぼイヌネコのみで、ウサギのものは手に入らない。
ホームセンターの方たちも努力してくださって、被災したホームセンターの中から商品を持ってきて販売してもらえることもあった。



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実際に困ったこと大変だったこと ― 考察:
ウサギは非常に嗜好性の高い動物なので、イヌネコのように代用品の食餌をあげても食べるわけではない。
そこを考えておかなければならない。
ケージを洗う水のことも。
ペットとしては、まだまだマイノリティであることを認識させられた。



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当院も被災しました:
病院の横に小川があって水がわいているので、結構、きれいな水が確保できて助かったそうです。
が、、、その川のところが、じつは新たに判明した活断層であったということです。


分割で申し訳ございませんが、あと、もう1回あります m(__)m


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うさフェスタ2016講習会 熊本地震アンケート(2)

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同行避難について 実際の避難先 :
車中泊 44 (熊本は比較的どこにでも駐車できる)
実家、知人、親戚 19
学校、避難所 16
職場 5
広場 2
ビジネスホテル 1

家は危ない状態だったがウサギのために逃げなかった方も2人いましたが、約6割は同行避難されたということです。



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同行避難できる場所を知っていますか?:
学校 31%

ウサギさんの場合はニュースにならないのであまり知られていませんが、実際には受け入れてもらえる場所がかなりあったということです。
確実なところだけでも7校ありました。
テレビでは、動物の避難場所がないということの方が絵になるので、そういう放送がされていましたが、先生が避難された場所にもウサギさんもイヌネコさんも結構いたそうです。
動物を拒否する感じは、なかったそうです。



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実際、同行避難は可能だったのか?:
学校だと踊り場のような場所に置くことになるケースが多かったが、季節的に暑くもなく寒くもない温度帯だったので、特に問題はなかったということです。
先生方は、「ペットはダメ」 と言ったけれども、避難している方々が 「いいよ、いいよ」 と言ってくれて、ウサギが避難場所の癒しになったという方も結構、いらっしゃったそうです。

中には、お医者さんがいらっしゃるような避難所だと、ウサギはダメと断られることがあったようです。



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熊本の特異性:
クルマの保有率が非常に高く(一家に2台程度)、どこにでもとめられる。
地震の対策があまりできてなくて、ルールが全然ない:
 いい意味で、イヌもネコもウサギも避難所に受け入れられた。
ラテン系というか、落ち込まない性格。
復旧工事も済んでいるのは大規模なところだけで、病院も含め、一般の方々のところはまだ先という状況だが、みんなそれを受け入れている。



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同行避難について 移動状況 :
ほとんどが普段飼っているケージか、キャリーで避難。

マンションに住んでおられる方も多くて、1人ではケージのまま持ち出せないので、キャリーで移動したが、そうなると避難している間、1ヵ月間くらいずっと狭いキャリーの中で生活させざるを得ず、困ったという声もありました。



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同行避難について 持ち物 :
基本的には、牧草とペレット
フードはいつもそばに置いているので、食餌に困った方はあまりなかったようです。
今後のために、すぐに牧草とペレットを買い求めた人も多かったそうです。

少数意見として、ホッカイロ、ファン、保冷剤など。
熊本は例年だとゴールデンウィーク明けにはすごく暑くなりますが、今年に限っては、非常に温度帯が安定したいい気候でした。

野菜、小さい包丁、サプリ
こういったものも考えておいた方が良いでしょう。



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地震直後の写真と思われますが、左の写真では、うさケージの上に棚が崩壊しています。



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同行避難について ウサギの状態 :
当初は落ち着かなかったが、数日(3日~1週間くらい)で慣れてきた.;
1ヵ月間くらいは、小さな便をして、細々と耐えていくという状況になるそうです。
ペレットコントロールをしている子は盲腸が発達しているので、このような状況下でも大丈夫だったという方が多かったそうです。

少数意見では、ウサギの周りに人が集まってたとか、子供たちの人気者になっていたとかという話もよく聞いたそうで、皆さまが思っているほど悲惨な状況ではなかったということです。

ただ、こういうところにたどり着けた人と、たどり着けなかった人がいるので、そういう情報をどう共有していくかが課題です。
今回、うさぎのしっぽさんにもお願いしてメーリングをしてもらったのですが、地震のときは皆さん、メールを読んでいる暇もないですし、ニュースも全然見てませんし (ケーブルテレビだと全然映らない) 、情報が全く入りません。
電話やラインでダイレクトにお友達に教えてあげるのがいい方法なのかもしれません。



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同行避難中大変だったこと:
一晩中抱いていた。
温度管理など。
(気候の良い時期だったので、それほどでもなかったが)


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うさフェスタ2016講習会 熊本地震アンケート(1)

うさフェスタ2016の講習会から、いくつかご紹介したいと思います。

まずは、熊本の水前寺公園ペットクリニックの中田至郎先生による、熊本地震の体験談とアンケート結果からの講習会。
ウサギ連れの関係上、端っこの席しかとれなかったため、スライドが見にくくてすみません。


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震災時、イヌネコさんの情報は多少なりともありますが、ウサギさんに関しては皆無です。
うさぎの飼い主にとっては、非常に貴重なお話しでした。

7月に行ったアンケート結果 (対象は病院の患者さんの飼い主さん) をもとにお話ししてくださいました。



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被害状況について:
アンケートに答えてくださった方、殆どが被災されて、そのうち大部分が一部損壊、
半壊以上については、かなり深刻な被害が出ている状況、
そして、一部損壊も含め、被災した大部分の地域でライフラインがストップした状況でした。



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避難の状況について:
熊本県全体では14%の人が避難。
ただし、局地的な地震でもあり、アンケートでは、73%の人が避難したということで、
先生ご自身も避難されたそうです。



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避難先について:
車中泊 45%
学校など避難所 25%

最初の地震のときには車中泊をした人が多かったのですが、2回目の地震以降は、ライフラインが通じていないこともあり、避難所に行かざるを得ない状況もあったということです。



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人の被害:
余震が非常に多く、縦揺れの場合、震度1でも恐怖を感じる方が多いそうです。
それが2か月間続きました。



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そのときウサギはどうしたか?

ウサギの行動 地震中 : 
赤 動的作用 13%
青 静的作用 15%
合わせて3分の1くらいのウサギさんは、怖い思いをしたという、何かしらの反応があったということです。

パニックになって走り回っている子を無理やり捕まえて、ものすごく噛まれたけど、手を放したらどこに行ってしまうか分からないので、噛まれたままをキープしてウサギさんを確保したという方が3名ほどいらっしゃったそうです。



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ウサギの行動 地震直後 :
赤 動的作用 6%
青 静的作用 23%

飼い主さんの話では、2~3時間は、ウサギさんはゴハンを食べないそうです。
災害の直後は、そういうことは当たり前なんだという認識も大事です。



ウサギの被害状況:
圧死 1匹
骨折 1匹
意外に被害がなかった印象。

圧死した子は、地震のとき、飼い主さんが行こうとしていたタンスのすぐそばをグルグルものすごい勢いで走り回っていて、飼い主さんをそこに行かせないようにしていたのだといいます。
そして、そこにタンスが倒れてきたと。



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地震後のうさぎの変化 体調 :
元気がない、食欲不振、飲水不振 40%
逆に元気が出た 8%

半分くらいの子は変化があったということで、災害時には、こういうことがあるというのを前提に考えておいた方が良いでしょうと。



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地震後のうさぎの変化 行動・性格 :
甘えて、甘えてという子が1~2割ほど。
神経質になった子が27%
ケージに入りたがらない、アラーム音に敏感にになる(携帯の緊急速報のアラームが2日間ほど、ほとんど鳴りっぱなし)、普段仲のいい子がケンカするなど。

ツンデレのツンとデレが分かれて両極端になった感じ。



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地震後のウサギ:
幸いなことに、ほとんどが今は一緒に暮らしているということです。

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ウサギさんの食餌

10日の土曜日は、きちさん通院日。

うさフェスタの講習会の話をちょこっと先生にお話ししてきました。


熊本のうさぎの病院、水前寺公園ペットクリニックの中田先生による、ペレットコントロールプログラムのお話。

ウサギの消化管は、盲腸の発育がとても重要で、というお話。
盲腸の発達しているウサギは、健康でストレスにも強いのですが、そのからくりは、
牧草からの十分な繊維の摂取によって、盲腸で乳酸菌を発酵させて必要な栄養素を作り出すという仕組み。
乳酸菌サプリメントもいろいろなものが売っていますけど、実のところ、ウサギにはどの菌がいいのかもまだよく分かっていない状況で、しかも、人工的なものはほとんど効かないんじゃないかという話もあり。
それよりは、盲腸を十分に発達させる食生活により、自力で乳酸菌も栄養も作り出せる体を作るのがいいと。
まあ、そんなお話。

牧草をあまり食べずにペレットばかり食べているウサギは、盲腸がどんどん小さくなって行ってしまうそうな。
そういうウサギさんは、ちょっと食べないだけでダメになってしまうけど、逆に盲腸の発達しているウサギさんは、先の熊本地震みたいなことがあって何日も食欲が戻らない、そんな状況下にあっても生き延びることができると。
ウサギの防災って、食料や水の備蓄だけじゃないんだなって、思いました。
まずは、ストレスに負けない身体作り。

そこで、中田先生が取り組んでおられるのが、ペレットコントロールプログラム。
ウサギさん1匹ずつ、その子のペレットの適正量を割り出して、適正量までペレットの摂取量を減らしていく取り組みです。
ただ、単純にペレットの量を減らせばいいという話ではなくて、その分、牧草の摂取量を増やしていくことが大切で、体重を測りながら、牧草を食べていることを確認しつつ、進めていくのだそうです。
そして、必ず、獣医師の指導のもと、行わなくてはならないと。
勝手にやらないでくださいと。

このお話しを聞いた人は皆、ペレットコントロールプログラム、やってみたいと思ったに違いないのですが。
でも、中田先生の提唱するこのプログラムをやってくださる獣医師が日本全国にいないとできないわけで。
なら、お話だけ聞いてもしょうがないじゃん、なんても思ったのでした。


そして、最後に我が家のウサギたちが直面している問題について、先生に質問しました。

ペレットだけで飼育されて大人になった、実験ウサギさんを引き取って飼っているのだけど、若い時は牧草メインの食餌への切り替えはうまくいく。
でも、それが歳をとって9歳、10歳くらいから食の嗜好が変わり、また、あるときから急激に痩せてしまったりする。

   栄養が足りてないということで、高たん白の食餌に切り替える 
⇒ その分、牧草を食べなくなり、特に一番刈りを好まなくなる
⇒ 食べても食べても痩せていく 
⇒ さらにペレットを増量する 
⇒ 食欲不振を繰り返す


という悪循環で、今回の話とはまさしく真逆な状態。
これは、どう打開すればいいのかということ。

先生のお答えは、モトがそういうウサギなので、非常に難しいと。
そう言われちゃうと、身もフタもないんですが

確かに歳をとると嗜好性の変化はあるけども、一方で、歳をとるほどペレットを減らして、むしろ牧草だけでもいいくらい。
だそうで。
先生の病院では、歳をとってきたら、何かしら理由を付けてペレットを減らしてもらうそうです。
嗜好性の変化には、牧草の種類を変えていくのがいいと。
柔らかくても繊維質の豊富なものに。
チモシーにこだわらなくてよいので、オーツヘイでもなんでも、他の草を選ぶ工夫が必要だと。

悪循環に陥ってしまった子については、これまた、
「それは、かなり難しいです。
かなりの高等技術がが必要になってきます。」

とのこと。

うん、我が家のご老体は、もう手遅れってことね、、、う~ん。

あとひとつ、先生の使うテクニックで、歳をとって牧草を食べなくなってきた子には、1週間に1回とか、プリンペランを投薬して、強制的にお腹を動かすということもするそうです。

でもねぇ、ハクたん。
プリンペランもちょこちょこ使うけど、牧草の摂取にはあまり結びつかない。

やっぱり、先回りして牧草の量を増やしていく工夫をしなくてはいけなかったんですね。
というのが分かったので、我が家から実験ウサギさんをもらってくださった方に、是非、お伝えしたいです。

ダッチさんなら、7~8歳くらいから準備した方が良いでしょうか。
白ウサギさんは、5~6歳くらいから。
少しずつペレットを減らして、より牧草の摂取量を増やして、老齢期になっても栄養摂取できる体に変えていく、そういう準備が必要なようです。



講習会が終わった後、参考までに、ななぶーのお腹を触っていただいて、この子はどうか?
とお聞きしました。

「もうちょっと、ペレットは減らしてもいいかな?」
って、そんな感じらしいです。

ちなみに、ななぶー。
1回、ペレットを減らしたんですが、ラビットホッピングで相当消耗するらしいので、また元の量に戻していたところでした。
朝晩15g で1日30g 。(体重は 2kg)
ちょっとずつ減らすとして、今は朝晩14g ずつ。
とりあえず、牧草は食べる子なので、様子を見つつどうするか決めていこうかなと。



というようなお話を、きち先生にしたのですが。

「それは正しいですが、でも、それでウサギさんが幸せかというのは別の話です」 と。
うん、先生はそうおっしゃると思った ^^

「あまり、そういう話はしてほしくないな」 とも。

それが、先生の本音でしょうね。
そうあらねばならないと思い詰めたら、飼い主さんも辛いし、ウサギさんも苦行のような生活を強いられて辛い。
それを懸念されているのでしょう。

一方で、やれば簡単にできてしまう子がいるのもまた事実で。
知識として持っているのは大事なことだと思います。

レンイチが固い牧草を食べなくなって、もう1年くらいたつでしょうか。
ハクたんも、何やかや言いつつも、低空飛行ながら、高栄養の団子とペレットで命をつないでいるし。

世間には、牧草なんざ食べたことがないという子が普通に13歳くらいまで生きていたり、という話もよく聞きますし。
究極的には、その子の生命力かなと思うこともあり。

そんな話を先生としていました。

「新科学といって・・・
ウサギは人間と生きる道を選んだんです。
それが証拠に、ウサギさんの顔は人間に気に入られるように、どんどん可愛くなってきているでしょう。
だから、いずれ、人間との暮らしに適応する子も出てくるんじゃないかと。
ペレットだけで生き延びる子が出てくる、そういう方向へ進化する可能性もありますよ。」
 って。

はい、そういう話、大好きです。

飼い主さんとウサギさんの暮らしが幸せであることを、何より大切にされているのでしょう。
数値や理論に振り回されなくていいよと、先生はおっしゃりたいのでしょう。
何のためにウサギさんと暮らしているのか、見失っちゃいけないと。

正しい知識も必要だし、かといって教科書通りにするだけじゃない、自分とウサギさんが楽しく暮らせるようにという、バランス感覚が必要なんだろうなと思います。

というところで、長くなったので、オシマイ m(__)m


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