久しぶりに鳥さんネタを。
15日は、横浜小鳥の病院併設ショップのBirds' Grooming Shop 主催のセミナーに行ってきました。
かなりボケてまして、電車の時間を間違えて後半、半分くらいしか聞けなかったのですが、それでも、とてもいいお話しが聞けました^^

ありがたいことに、レジメが用意されていました。
講習会の概要は、こちらに報告がありますので、興味のある方はご覧ください。
【9月15日開催:第1回Birds' Grooming セミナーご報告】最後の海老沢先生のお話しから少し抜粋して、ご紹介しますね。
テーマは、鳥のアンチエイジング。

アンチエイジングの一番の敵は肥満ということで、肥満防止についてのお話しがありました。
その中で、食事量と発情の関係について触れていました。
発情防止に食事制限して体重コントロールするという話はよく聞きますが、そのメカニズムを分かりやすく解説してくださいました。
満足するまで食べても、まだ餌がある

ヒナを育てるだけの十分な食物がある

発情が促されるということだそうです。
で、食事制限をすると、というのが下の写真、左上のスライドです。

肥満防止に早寝早起きというのもよく聞く話ですが、食事制限をしたうえでないと無意味ということです。
ただ、鳥かごにカバーをかけて鳥さんを寝かせたつもりでも、人間が同じ部屋にいて起きていたら、寝かしたことにはならないそうで。
ウチなんて、全然ダメですね。
ウサギさんのお世話で、毎晩、相当遅くまでガサガサやってますから。
カバーをかけるとおとなしくなりますが、それで寝たと思わないようにとのことです。
耳が痛い。
興味深かったのは、上の写真、右上のスライド。
実際に食事制限してみたけど、体重は変わらないんです、という話。
6g 食べていても、それを 4g に減らしても、体重は 38g 。
「太っていなくても食事量 4g の方が良い」というのは、その差 2g 分の活性酸素を発生させているから、ということです。
(活性酸素は老化の原因の一つ)
発情抑制という意味では、体重が同じでも 6g 食べているときは、 2g 分の余力があるからというのもあります。
ただ、体重が変わらなきゃいいって問題ではないんですね。
その体重を維持できるギリギリの量を見つけておくことも大事なことのようです。
気持ちとしては、体重が増えない、目いっぱいを食べさせてあげたいのですが。。。
ただ、すべての鳥さんに食事制限させるべきかといえば、そうではない。
鳥さんの性格や体質によっても食事制限が功を奏するかは違ってくるので、やらない方がいい子もいるので気を付けて!
ということです。
肥満かどうかの判断となる、肉付きの見方。

ここまでチェックされる飼い主さんはかなりマニアック? という気もしますが、普段の健診ではこういう基準に基づいて診てくださっているのですね。
肥満防止のため、運動させましょうと言う話。

鳥さんにとって運動は飛ぶことですが、鳥は人間と違って意識的に運動しようとはしないので、飼い主さんがうまく遊ばせながら運動させて、ということです。
普通にあっちからこっちに飛んでくるくらいの、普段の生活の中での飛び方では運動したとは言えないそうです。
人間でいえば、ウォーキングをする、それくらいの意識的な運動量が必要だそうです。
「飛ばなくなった鳥は老化が早い」というのが、普段の診療の中で感じることだそうです。
特に小型鳥、文鳥では顕著だと。
確かにチェリーちゃんも、飛べなくなってからが早かったです。
チェリーちゃんのいなくなった今、ユッピーが全然飛ばなくなったので、何とかしないといけません。
ユッピー姫、今はひたすら握りなのです。。。
講演の後の質問の時間。
先生がふと、
「皆さんは趣味で鳥を飼っているんですよね?」 とおっしゃった時に、会場から
「違います。 家族です。」という声がありました。
「本当にそうでしょうか?」と先生は問い返されました。
診察していて、
「いえ、ウチはそこまでしていただかなくて結構です」 と飼い主さんから言われてしまうことが少なからずあるそうです。
治療すれば良くなるのに、まだ生きられる可能性があるのに、拒否されてしまうことが。
本当に家族だったら、治療のための費用や時間を惜しまないだろう?
そもそも、そんな病気になるような飼い方をしないだろう?
そんな寂しい思いがあったのでしょうね。
ここに来ている人たちに言ってもしょうがないことと思い直されたようで、それ以上はおっしゃいませんでしたが。
でも、飼い主として耳の痛い言葉でした。
どんな動物でもそうでしょうが、口では家族と言いつつ、本当に家族として向かい合っているのか?
家族として、メンタル的なケアや食生活など、健康に気を配ってやれているのか?
可愛がる時だけ家族なんじゃないのか?
そんな問いかけでした。
鳥さんは特に、珍しい色の品種を珍重するとか、さえずりを楽しむとか、そんな飼い方も根強く残っています。
もし、家族として迎えるなら、クリーム文鳥とか、シナモン文鳥とか関係ないですものね。
文鳥らしさ、健康面で選ぶなら、桜文鳥が一番。
でも、多くの人が珍しい品種を求めます。
そんな、鳥さん独特の事情も垣間見えました。
アメリカへ研修に行かれた牧野先生は、小型鳥の場合、日本とアメリカでは飼い方がかなり違うともおっしゃっていました。
日本は鳥との距離がとても近いと。
アメリカでは鳥さん部屋があって、飼い主は1日数回、お世話に行く程度という飼い方が多いそうです。
日本は手乗り文化というのもありますが、家にいるときは常に鳥さんがそばにいる。
(それが、発情過多という問題も引き起こしているとか)
鳥さんは、時として人間の趣味であり、時として、家族として人間の都合に合わせた暮らし方も強要される、そんなところに位置しているのでしょうか。
「鳥がいて、あなたは幸せかもしれない。
でも、あなたの鳥は本当に幸せですか?」そう、海老沢先生は問うていらっしゃいました。
「鳥も人も幸せであってほしい。
鳥さんのQOLもしっかり考えてあげてほしい。」そう、海老沢先生はおっしゃっていました。
ひたすら、耳が痛いです。

おみやげに、鳥さんのオヤツのサンプルをいただきました。
聞き逃してしまいましたが、最初の講演は鳥さんのオヤツの話だったんですね。
ウチのはそろいもそろってビビりなので、こんなの見たら、みんな逃げて行ってしまいそうです・・・。